選挙・市場ともに見通し「不透明」…堅実な「分散投資」を
誰が勝つか、金融市場はどうなるか、どちらもまったくわかりません。
2016年の大統領選挙がその好例です。選挙結果については、投票前は「ヒラリー・クリントン氏が優勢、トランプ氏は劣勢」と言われていましたが、当選したのはトランプ氏でした。
また、金融市場の反応については、投票前は「トランプ氏が当選すると、リスク回避姿勢から、株価は下落し、債券は買われる」と言われていましたが、トランプ氏が当選すると株価は大幅に上昇し、債券は売られて金利が上昇しました。いわゆる「トランプ・ラリー」です。
この例がわれわれ投資家に示しているのは、「幅広い資産で分散するほうがよい」ということでしょう。
「筆者の予想や想定も当てにならない」ことを強調しておきますが、まず、株式市場を考えると、トランプ氏が大統領になり、上記の公約や主張を実現する場合、企業の業績や活動にとって相対的に有利に働く可能性があります。
そして、これらが織り込まれる場合、株価は上昇すると考えられるでしょう。ただし、同氏の相対的に強い保護主義のスタンスは、企業の調達コストを引き上げたり、販売活動を制限したりする可能性があります。
債券市場にとってみると、景気拡大の継続観測と、関税引き上げを含むインフレ懸念が金利上昇圧力として働く可能性があります。ただし、原油や天然ガスの規制緩和による増産はインフレ圧力を緩和する可能性があります。
為替もわかりません。トランプ氏の保護主義的な面にフォーカスが当たれば、同氏がそうした政策や方針を示す前からドル安に転じる可能性があります。
逆に、景気拡大やインフレ懸念で「高金利継続」に焦点が当たれば、ドル高基調が継続する可能性が考えられます。
バイデン氏が再選される場合、少なくとも上院は共和党が過半数を取り戻す可能性があるため、そうであるならば、同氏の政策は進まず、経済政策では、減税や規制緩和を求める共和党に譲歩を迫られる可能性もあるでしょう。
今後の変動性の高まりに備えて、十分な分散投資が望まれます。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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