米大統領選「バイデン辞退」の一部報道で予想はますます困難に…大統領候補が「辞任」または「逝去」すると選挙はどうなるのか【マクロストラテジストの見通し】

米大統領選「バイデン辞退」の一部報道で予想はますます困難に…大統領候補が「辞任」または「逝去」すると選挙はどうなるのか【マクロストラテジストの見通し】
(※写真はイメージです/PIXTA)

6月27日、米国大統領選の第1回候補者討論会が行われました。これを受けて、一部メディアが報じているのが「バイデン氏辞退の可能性」です。もし実現した場合、大統領選はその後どのような展開になるのでしょうか。また、金融市場に影響はあるのでしょうか。フィデリティ・インスティテュート主席研究員でマクロストラテジストの重見吉徳氏が分析します。そのうえで、投資家がとるべき運用方法をみていきましょう。

どちらかが「辞退」すると選挙はどうなる?

今般、バイデン氏は選挙戦の継続を表明しましたが、複数の刑事裁判を抱えているトランプ氏を含め、大統領候補が辞退もしくは死亡する場合の流れをみてみます。

 

以下では、民主党を例に挙げます。共和党の場合もおおむね同様です。各種の報道を参考にしていますので、割り引いてご確認ください。

 

ケース1.バイデン氏が、「民主党全国大会(DNC)」までに辞退もしくは死亡すると…

全国大会でバイデン氏に投票することを確約していた、民主党の場合3,900人を超えるすべての代議員たちは、ルール上は「自由投票」となり、彼らそれぞれが全国大会でふさわしいと考える候補者に投票をし、民主党の大統領候補が決定されます。

 

では、その「自由投票」の全国大会で「誰が選ばれるか」と考えると、先に述べたとおり、ほとんどすべての代議員たちはバイデン氏に忠誠を誓い、同氏の選対本部からも承認されたうえで、同氏に投票するために全国大会に集められるため、バイデン氏が後継候補として支持を表明する候補者が選ばれる可能性が高いと考えられます。

 

バイデン氏が支持を表明する可能性がある民主党の候補としては、たとえば

 

・ハリス副大統領

・ニューサム・カリフォルニア州知事

・プリツカー・イリノイ州知事

・ブティジェッジ運輸長官

・ホイットマー・ミシガン州知事

・シャピロ・ペンシルベニア州知事

・ポリス・コロラド州知事

・ウォーノック上院議員(ジョージア州選出)

・クロブシャー上院議員(ミネソタ州選出)

・ベシア・ケンタッキー州知事

・ブッカー上院議員(ニュージャージー州選出)

・ミシェル・オバマ氏(バラク・オバマ元大統領夫人)

 

などが挙げられます。

 

ケース2.バイデン氏が「民主党全国大会(DNC)」後に辞退もしくは死亡すると…

民主党の全国委員会が、民主党出身の州知事と連邦議会の民主党幹部たちと協議し、候補者を決定します(→共和党の場合には、ふたたび全国大会を招集するか、当委員会が決定するかが選択されます)。

 

ケース3.投票で多数票を獲得した候補者が、就任までに辞退もしくは死亡すると…

両日に加えて重要な日付が2つあります。①12月17日:大統領選挙人による投票②翌年1月6日:米連邦上下両院合同会議での「大統領選挙人による投票の開票」です。

 

合衆国憲法修正第20条は、次期大統領(President-elect)が1月20日の就任日前に死亡した場合には次期副大統領(Vice President-elect)が大統領になると規定しています。

 

問題は、11月5日の多数票獲得者がいつ、修正20条にある「President-elect」や「Vice President-elect」になるかです。

 

1月6日の「大統領選挙人による投票の開票」以降であれば間違いなくそうですが、それ以前の場合は不透明です。辞退もしくは死亡が、①12月17日の「大統領選挙人による投票」の前に生じるか、大統領と副大統領の候補者氏名を変更するかどうか。あるいは②12月17日から1月6日の「大統領選挙人による投票の開票」のあいだに生じるか、17日の投票時点で辞退者もしくは死亡者がPresident-electだったとするかどうか。いずれにせよ、これら2つのイベントを経る必要があります。

 

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