経験者が「語学学校は行ったほうがいい」と言う理由
こうした現実に気づくことになるからだろう。日本にいるときから英語を勉強しておいたほうがいい、という声は多かった。加えて、現地で英語を学べる語学学校には行ったほうがいい、という声だ。
オーストラリアのワーホリでは、最長4か月間、現地の語学学校で学ぶことができる。自身の英語のスキルや現地の希望スケジュールによって、短くしたり、長くしたりすることがあるようだが、取材では実際に通っていた人ばかりだった。
そして、「語学学校に行ったほうがいい」とアドバイスするのは、語学学校に行かなかったり、語学学校を短い期間で終えてしまう人も少なくないからだ。
ワーホリは自由なので、語学学校にまったく行かないという選択肢もある。そうすれば、語学学校に通う費用もなくせる。語学学校の費用は、おおよそ月に15万~18万円ほど。4か月通うとなると60万~70万円ほどになる。
それなりの費用だが、よほど英語に自信があるというケースを除けば、もったいないと考えず、行ったほうがいいというのである。
その一人、シドニーでバリスタで働くワーホリ中の古河さんはこう語る。
「ワーホリに行こうとしていたら新型コロナがやってきてしまい、2年待ったんですが、このとき、英語を勉強しておいてよかったと思いました。モチベーションの上がり下がりはありましたが、上がっているときはけっこう勉強していましたので。まだ行けるかどうかがわからなくて、モチベーションが下がってしまったときには、英会話教室に行ったりもしていました」
それでもオーストラリアにやって来ると、会話はほとんどできなかったという。大きく伸ばすことができたのは、語学学校だ。
「最近も海外の人とトークできるアプリを使って勉強したりもしていますけど、語学学校に通っていた4か月に比べれば、成長は遅いですね」
能力別のクラスになっていたが、古河さんが入ったのは、下から2番目のレベルのクラス。それでも一気に伸びた。
「習ったことは日本の中学生レベルです。それほど高度なことではない。日本人はもともと英文法のレベルは他の国の人より高いんです。そこに、日常的な単語が加わってくると、一気に話せるようになった。あとは英語力というよりも、英語を話すことの怖さのようなものがなくなったのが、一番大きいと思います」
先にも触れているが、古河さんがオーストラリアに来たタイミングは、まだ日本人がほとんどいなかった。強制的に英語しか使えなかったという状況も良かった。
「休憩時間も英語、学校のクラスも英語、授業中も英語、家に帰ってもホームステイ先で英語と、ずっと英語漬けでした」
毎日、出た宿題に取り組み、ホームステイ先でも自室に籠もらないよう、意識した。
「間違っちゃいけない意識が、日本人は強すぎるんですよね。でも、間違ってもまったく恥ずかしくないんです。これでいいんだ、ということにすぐに気づけました」
上阪 徹
ブックライター
※本記事は『安いニッポンからワーホリ!最低自給2000円の国で夢を見つけた若者たち』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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