※画像はイメージです/PIXTA

相続税の税務調査。「相続税の税務調査って誰が対象なの?」「税務調査って何をどこまで調べるの?」など、疑問や不安がいろいろ。そこで相続税の税務調査の実態はもちろん、あまり知られていない税務調査が来やすい時期や時効なども解説していきます。

相続税の税務調査でよく聞かれる質問とその意図

前章で「税務調査の午前中は税務署からの質問を中心に進む」と解説しましたが、実際にどのような質問をされるのでしょうか? 税務調査当日によく聞かれる質問内容を、想定質問集としてまとめたので参考にしてください。

 

【被相続人の属性について】

・被相続人の出身地や職業、結婚の時期、趣味、月々の生活費など

・被相続人が亡くなったときの状況(入院の有無・時期や病院名など)

・被相続人の介護や入院にかかった費用

・被相続人の日記の有無

・被相続人の配偶者の財産状況

 

【相続人の属性について】

・相続人の出身大学や職業、住まいなどについて

・相続人の家族(子供、配偶者)の年齢や学校名、職業など

・相続人の家の購入金額や売却金額(過去に住んでいたものも含めて)

・相続人の投資状況(証券口座を持っているか、どれ位株式や投資信託へ投資しているか等々)

 

【被相続人と相続人の財産関連】

・被相続人がどのように相続財産を築いたか

・被相続人や相続人は貸金庫を持っているか

・被相続人や相続人が取引のある金融機関と支店名(過去に使っていたものを含めて)

・被相続人の死亡直前の財産管理は誰が行なっていたか(書類や通帳の管理)

・相続開始直前で下ろした現金の具体的な使い道

・生前に贈与を受けたことがあるか

 

【相続税の申告関連】

・相続税を納税した金融機関はどこか

・相続人と税理士との関係

 

税務調査の質問の意図は「仮装・隠蔽の意思確認」

税務調査で税務職員が質問する意図は、相続人の仮装・隠蔽の意思を確認するためです。実地調査で午前中に質問をして午後から具体的な調査に入るのはこのためで、あえて分かっている質問をすることも多々あります。相続人に仮装・隠蔽の意図があったのかなかったのかで、ペナルティの追徴課税の税率が大きく変わります。

 

◆仮装・隠蔽の意図がなかった場合

過少申告加算税10%(一定の金額を超える部分は15%)

または

無申告加算税15%(一定の金額を超える部分は20%または30%)

 

◆仮装・隠蔽の意図があった場合

重加算税35%(無申告の場合は40%)

 

心配なことがある場合には、税務署から不利な指摘を受けないためにも税理士に相談にいくとよいでしょう。 税務調査が終了した後、指摘事項がなければ何もやることはありません。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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