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相続税の税務調査。「相続税の税務調査って誰が対象なの?」「税務調査って何をどこまで調べるの?」など、疑問や不安がいろいろ。そこで相続税の税務調査の実態はもちろん、あまり知られていない税務調査が来やすい時期や時効なども解説していきます。

相続税の税務調査で指摘あり!修正申告&ペナルティあり

相続税の税務調査で指摘事項があった場合、修正申告を行う必要があります。ただし修正申告は専門性が高いため、必ず相続税に強い税理士に依頼をしてください。そして税務調査で指摘事項があった場合、追徴課税のペナルティが課せられます。

 

◆追徴課税のペナルティ

延滞税+加算税(過少申告加算税・無申告加算税・重加算税のどれか)

 

 

延滞税

延滞税とは、相続税の納付期限までに相続税を納めなかった場合に課せられる税金で、いわゆる延滞利息のような税金です。修正申告の場合では、相続税の当初の納付期限から修正後の税額を納付するまでの日数に応じて年率で課税されます。延滞税の割合は、修正申告書を提出した日(納期限)から2か月を経過する日を境に2段階に分けられ、金利に応じて毎年変更されます。

 

加算税は3種類!ケースによって税率が異なる

相続税の税務調査で指摘をされると、加算税として「①過少申告加算税」「②無申告加算税」「③重加算税」のいずれかが課税されます。

 

①過少申告加算税(10%)

過少申告加算税とは、名称のとおり本来申告すべき相続税額よりも、当初の相続税が過少だったことに対するペナルティです。当初の申告では財産を隠したりする意図がなく、うっかり漏れていたケースや評価を間違えていたようなケースで課税されます。ただし新たに納める税金が、当初の申告納税額と50万円とのいずれか多い金額を超えている場合、その超えている部分については15%となります。

 

②無申告加算税(15%)

無申告加算税とは、相続税の申告期限内に相続税申告書を提出していなかったことに対するペナルティです。 隠蔽の意図がなく、申告を失念していたようなケースで課されるペナルティです。ただし新たに納める税金が50万円を超えている場合、その超えている部分については20%となります。また、申告期限が令和6年1月1日以降で新たに納める税金が300万円を超えている場合、その超えている部分については30%となります。

 

③重加算税(35%)

重加算税とは、隠蔽行為により不当に相続税を逃れるような行為をした場合に課されるペナルティです。加算税の中でも最も重い罰則規定で、隠蔽のために無申告だった場合は税率が40%となります。

 

税務署の指摘に納得できない場合の対応

相続税の税務調査終了後に税務署から指摘を受けた場合、その指摘内容に納得できない場合には次のような対応方法があります。

 

STEP1:税務署長に対する再調査の請求

税務署の指摘について不服があるときに、処分を行った税務署長等に対して再調査の請求を行います。ただし、税務調査結果の通知を受けた日の翌日から3か月以内に、手続きを行う必要があるので注意しましょう。この再調査に、法律上審理期間の定めはありませんが、通常は3か月程度で結果がでます。再調査の請求により納税者の主張が認められる割合は10%以下となっており、90%以上は納税者が負けてしまいます。それでもいくらかは納税者の主張が認められているので、納得できないことについては毅然とした態度で主張を行うとよいでしょう。この再調査の決定内容にも納得できない場合には、次のSTEP2になります。

 

STEP2:国税不服審判所への審査請求

税務署の再調査の結果についても納得できない場合には、国税不服審判所という国税庁の特別機関に審査を請求することができます。国税不服審判所は税務署や国税局からは独立した組織となっていますので、客観的な観点から税務署の処分内容を審査します。再調査に対する税務署長等の決定の通知を受けた日の翌日から1か月以内に、国税不服審判所長に対して「審査請求」をしなければならないという期限があります。ただし国税不服審判所の審査請求の結果、納税者の主張が認められる割合は約10%で、納税者にとってはかなり厳しい戦いであることが分かります。通常は国税不服審判所への請求資料の作成段階から、相続税に詳しい弁護士や税理士が関与して主張していくケースが多いです。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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