(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資では、物件の周辺地域について把握することも重要です。とはいえ、駅からの距離や近場に学校・スーパーがあるかなどといった「利便性」にばかり注目していると、物件本来の価値を見落としてしまうかもしれません。そこで本記事では『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集し、著者の杉山浩一氏が語る「物件選びにおける〈地歴〉の重要性」についてご紹介します。

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「地歴」とは何か?

物件を見るときには、周辺の土地もしっかり見なければと思いつつ、駅からの距離や、学校やスーパーマーケットへのアクセスなど、利便性という観点に終始してしまうことが少なくありません。

 

土地を見る際には、長い歴史の中でその地域がどのような位置づけだったのかという地歴についても、併せて確認することが重要だと私は考えています。地歴とは文字通り、その土地にまつわる歴史です。

 

例えば、神社の近辺というのは基本的に、高台だったり地盤が固かったりして、水害や地震に強いものです。先人が叡智を尽くして選んだ場所なのだといつも実感させられます。

 

長い歴史を生き抜いてきたという事実は安全性の証しでもあります。また、このような地域であれば、周辺に風俗店などが新たにつくられる心配もないので、子育て世帯も安心して住むことができるでしょう。

 

例えば、過去に工場などが立っていた場所には土壌汚染のリスクが存在します。事前に汚染の有無を調べる必要が出てきます。これも誤解がないように申し上げておくと、「過去に工場があったから、その土地はダメだ」という単純な話ではありません。

 

物件の購入を検討する際には、過去にそこに何が存在していたのか、どのような意味を持つ土地だったのかを事前に把握しておき、懸念がある場合には、相応の対策がなされているのかどうか、リスクを上回るメリットがあるのかどうかといった点を検討する必要があります。

 

地歴を通じて、地域やその土地の経緯、まさに歴史を知ることは、リスクを知るだけでなく、深い愛着にもつながっていきます。以前は国会図書館まで出向いて調査する必要がありましたが、今はネットでも確認できますので、調べることをお勧めします。

 

その土地の成り立ちも重要

さらに、危険性の有無だけではなく、どのようにしてその地域が成り立ったのかという経過についても知っておいて損はありません。

 

例えば、都心に近い下町エリアの中には、広く真っすぐな道路が整備されているところがあります。その理由は、太平洋戦争の際の空襲でいったん焼け野原になり、その後、ゼロから街がつくり直されたからです。

 

これとは逆に、世田谷区などで太平洋戦争が起きたときに空襲を受けていないエリアでは、以前の田舎道が整備されないまま入り組んだ状態の上に新しい街が出来上がっています。

 

あるいは、近年になって鉄道が通った地域。例えば、つくばエクスプレス沿線などは駅前に商店街などがなく、少し閑散とした雰囲気です。これは、一面が畑だったところを切り開いて鉄道を通したためです。

 

すべてが新しくきれいで、チェーン店やショッピングモールなどはありますが、老舗の商店など古きよき味わいのあるもの、あるいは、歴史的な面白さを求める人にとっては、画一的で物足りない街という見方も成り立ちますし、「いかがわしさがない」という言い方もできるかもしれません。

 

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次ページ地歴の把握と土地柄の理解が「入居率」を左右する理由

※本連載は、杉山浩一氏の著書『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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