(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資を検討する際、取り扱い物件に対して「新しいほどよい」「古いものは悪い」という印象を持っている人がいるかもしれません。この「築古には価値がない」、もっといえば「築30年を過ぎたら“築古”である」という考え方自体にも異議を唱えているのが、バブル期のRC造マンションを投資物件として取り扱う、株式会社プラン・ドゥの代表・杉山浩一氏です。その理由を、同氏が執筆した『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋し、ご紹介します。

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RC造マンションの法定耐用年数「47年」の非合理性

皆さまはマンションに関して、何年からが「築古」だと感じますか? 一般には、築30年を過ぎたあたりから、「この物件は少し古いのではないか?」というネガティブな印象を抱く人が多いようです。

 

では、「30年からが古い」とする根拠はどこにあるのでしょう?もしも「10年ひと昔」のように、単純に「30年=時代遅れ」と捉えているのであれば、本当に価値のあるものを見逃してしまうことになりかねません。

 

RC造マンションの法定耐用年数は「47年」です。ここから金融機関は原則として、融資した金額の返済期間を47年に対する残存期間を限度に定めています。新築物件であれば最大で47年、築30年の物件の場合には、最大17年が融資期間の基準となります。

 

このあたりから、30年を超えた物件は「築古」との考え方が世の中に浸透していったものと見ることができます。だからこそ、イメージではなく本質を見る必要があるということです。

 

例えば、耐震性について少し考えてみましょう。住宅などの建物は、建築基準法で定められた耐震基準に合致している必要があります。今の耐震基準は1981年に制定されたものとなっています。そのため、それ以前に建築確認申請がなされた物件と、それ以後に計画された物件は、異なる基準で建てられています。

 

バブル期(1990年前後)のRC造はすべてが現行の耐震基準の下で建てられていますので、2023年の時点で築30年が経過し、法定耐用年数としては残り17年の物件も、現在の新しい耐震性を担保しているのです。

 

こうした点からも、30年前の築30年と(つまり現在築60年)と30年前に建てられた物件(現在築30年)を同じ基準で捉えるのは、明らかに非合理的であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

イメージだけで「築古のマンションには価値がない」と言い切ってしまうのは、時代の感覚からも乖離しているように映ります。

 

これは余談になりますが、時代の変化や環境保護への要請などを踏まえたとき、現行の「47年」という法定耐用年数を根拠とする融資の縛りは、遠からぬ将来、改訂されるのではないかと私は考えています。

 

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※本連載は、杉山浩一氏の著書『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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