(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資では、物件の周辺地域について把握することも重要です。とはいえ、駅からの距離や近場に学校・スーパーがあるかなどといった「利便性」にばかり注目していると、物件本来の価値を見落としてしまうかもしれません。そこで本記事では『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集し、著者の杉山浩一氏が語る「物件選びにおける〈地歴〉の重要性」についてご紹介します。

地歴の把握と土地柄の理解が「入居率」を左右する理由

それに対して、終戦後に生まれた商店が形を変えながら愛され続け、今も人情と活気に溢れているのが下町です。

 

地元の人に聞けば、「あれを買うならこの店、あれが美味いのはこの店」といくらでも話が出てきます。このような歴史の妙味のようなものは、新興地では決して味わうことができないものの1つだと言えます。

 

利便性が高く清潔で整然とした街と、歴史の流れと共に成熟した面白みのある街。これらはまさしく好みの問題なので、どちらが良いということは必ずしも言えません。それでも、好みは入居者の物件選びに大きな影響を与えます。

 

だからこそ地歴を把握し土地に対する理解を深めること。その土地の成り立ちから見る視点を持つことも大切です。

反対運動が激しいマンションほど“よく売れる”!?

もともとその地域に長く住んでいた人たちが、「息子が独立するからこのマンションを勧めたい」とか「高齢になったから一軒家を売ってこのマンションに入りたい」といった声と共に集まってくるマンションがあります。

 

これは「良いマンション」であることの1つの基準だと考えています。駅からの距離や方角、建築資材や内装、設備といった点も考慮すべき点ではあります。しかしながら、究極的な1つを選ぶとすれば、私はやはり、地元に長く暮らす方々の目を挙げることになります。

 

その土地を知り尽くした人は、「どうしてこの場所にマンションが建ったのだろう?」と首をかしげるような物件には手を出しません。地元の人たちが納得したうえで選んでいる事実そのものが、その地域におけるニーズの存在を裏づけています。これ以上ない評価を得ていると言っても過言ではありません。

 

これは新築分譲マンションを巡る余談ですが、マンション業界ではその昔「断固、建設反対!」といった運動が起きるマンションほど、いざ建ててみるとよく売れるといわれていました。

 

もちろん、本当に住環境を破壊しているような悪質なケースは例外ですが、反対運動が激しい場所は、近隣の人たちが住環境を大事にしているところであることが多いのです。

 

私の経験では、近隣の反対していた方々も、何が何でも建設反対ではなく、その地域の環境に合った建物、住宅にしてほしいという要望であることがほとんどです。

 

ゆえに、私自身の経験においても、反対だと言っていた近隣在住の高齢女性が、実際にマンションが建ったところ、「娘のため」と購入してくださったことがあります。

 

地元の方々に認めてもらえる、受け入れられる土地というのは、物件が建つ以前から、多くの方が評価している場所ということなのでしょう。

 

【7/27(土)WEBセミナー開催】
年収2,000万円以上の「新富裕層」向け
本質的不動産投資セミナー

不動産業界35年のキャリアで辿り着いた
中古一棟RCマンション投資法>>>

次ページバブル期からずっと残っている「中古物件」に秘められた価値

※本連載は、杉山浩一氏の著書『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

新富裕層のための本質的不動産投資

新富裕層のための本質的不動産投資

杉山 浩一

明日香出版社

不動産投資とは「生き方」である! 新富裕層の皆さまが、大切にしている信念や人生のストーリーを後代へとつなぐことこそが不動産投資の「本質」にほかならない。 本質的不動産投資を実践することにより、社会に提供する価…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録