退職金も年金も潤沢…幸せな夫婦を襲った「まさかの出来事」
隆さん(68歳)と洋子さん(67歳)夫妻は、職場で出会い、約40年前に結婚。現在2人暮らしです。隆さんと洋子さんはともに公務員であったため、退職金を含めた預金は約5,000万円、年金は月に約32万円と、金銭的な不安とは無縁の“勝ち組夫婦”でした。
1年ほど前、暇を持て余していた隆さんは、ある日みたテレビ番組をきっかけに、料理にハマったそうです。以来、食事は隆さんが毎食作るように。洋子さんは「楽になったわ」と喜んでいたものの、毎日のルーティンがなくなり、ボーッとテレビを見る時間が増えました。
しばらく経ったころ、洋子さんに異変が起こります。外出しようとしたこと自体を忘れる、トイレ使用後に水を流していない、ティッシュのストックがあるにもかかわらず、買い物のたびに購入してくるため物置がティッシュで溢れかえる……。
明らかに何かがおかしい洋子さん。しかし、隆さんは「いやいや……まさか、ウチの妻に限ってそんなこと」と素直に認めることができず、気にしないフリを続けていました。
しかし、洋子さんの症状はますます顕著に現れるようになります。さすがの隆さんも「これはもうダメだ。病院にいかないとまずい」と、夫婦で病院へ。その結果、隆さんの予想どおり「認知症」の診断がおりました。
長年、お金の管理を妻に任せていた隆さんは、「預金は妻の名義だし、キャッシュカードの場所も暗証番号もわからない……どうやって生活していけばいいんだ!」とパニックに。藁にも縋る思いで、かねてからの知り合いであったファイナンシャルプランナーのもとへ相談に訪れました。
家族が認知症に…口座凍結されるのはいつ?
原則、名義人が認知症であることがわかると、銀行によって預金口座は凍結されます。ただし、医師から認知症を告知されたその瞬間に口座が凍結されるわけではありません。
具体的には、名義人が銀行の窓口で自分の生年月日や住所を答えられなかったり、会話の応答ができなかったりと、認知症であると銀行が判断したときに口座が凍結されるケースが多いです。
そのため、必要があれば本人の意思能力が低下する前に、あらかじめまとまった金額を出金するなどの対応をとっておく必要があります。
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