(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資を始めたいと思ったら、どの銘柄に投資すればいいのでしょうか? 足立公認会計士事務所代表の足立武志氏は、著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』の中で「銘柄選びはシンプルでよい」と主張しています。一体それはどうしてでしょうか? 理由を本書から紹介します。

成長株、割安株、テーマ株? 個人投資家の銘柄選び

株式投資をする際、どの銘柄に投資するのかを決めなければいけません。現在、日本の上場企業は約3900社あり、この中から投資対象とする銘柄を選ぶのは至難の業です。そのため、証券会社のセミナーや新聞、雑誌、ネットなどで挙げられる専門家や評論家の「オススメ銘柄」を参考にしている投資家さんも少なくないはず。


ただ、このオススメ銘柄に投資しても、うまく行かないケースも少なくありません。それは、すでに株価が大きく上昇したあとの銘柄だったり、テーマ株が多かったりするからかもしれません。


一方、筆者の周りにいる株式投資で成功を収めている個人投資家は、自分自身で投資する銘柄を決めています。ぜひ皆さんにも、自分でどの銘柄に投資するかを決定する力を持ってもらいたいと思います。


●テーマ株 その時々に市場が注目しているテーマに関連した株のこと。テーマになるのは、新技術や新サービス、新たな成長分野、最先端の流行などです。例えば、コロナショック以降は、マスクや防護服を製造している会社やリモートワークに関係のある企業の株が上昇しました。

同じ投資資金で、より大きな成果を出すことを重視するなら

筆者は、個別銘柄を大きく3つのカテゴリーに分類して考えています。それは「成長株」「割安株」そして「テーマ株」です。成長株とは、毎年、売上や利益が伸びていて今後も伸びると見込まれる銘柄のこと。割安株とは、PER(株価収益率)などの指標から見て実態より株価が割安に放置されている銘柄のこと。テーマ株とは、特定のテーマ、要素に反応して短期間に株価が大きく動く銘柄のこと。


せっかく株式投資をするのであれば、同じ投資資金でより大きな成果を出すことを重視すべきと思っています。この考え方に従うと、やはり「成長株」が最適な選択肢となります。例えば、成長株であれば株価が長い目で見て10倍、20倍となることも珍しくありません。


しかし割安株は、2倍、3倍程度なら十分ありますが、10倍超にまで上昇することはなかなか考えづらいでしょう。テーマ株については、後述しますが個人投資家が成果を出すのはかなり困難です。

銘柄選びの方法はシンプルでよい

では、成長株をどのように選んでいけばよいのでしょうか? 筆者は、銘柄選びはシンプルでよいと思っています。もちろん、個人投資家の中にもプロ並みの分析をして銘柄選びをする方もいますが、そのためにはそれなりの時間や労力、そして知識が要求されます。多くの個人投資家の方は銘柄選びにそこまでのエネルギーを費やすことは難しいのではないでしょうか。


そこで、筆者が行っているのが、単純に業績の推移を見て銘柄を選ぶという方法です。例えば、『会社四季報』などで過去5年間の業績を見て、増収増益が続いており、かつ来期以降の業績も増収増益予想である銘柄を投資候補とします。この方法であれば、『会社四季報』をパラパラとめくるだけでも、結構な数の投資候補が見つかります。


そして、こうした増収増益銘柄の株価を見ると、その多くが大きく上昇していることに気づくはずです。つまり、増収増益銘柄は株価が大きく上昇しやすいのだから、それを見つければよいのです。

次ページ単に増収増益なら何でも買ってよいわけではない

※本連載は、足立武志氏による著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』(扶桑社)より一部を抜粋・再編集したものです。

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

足立 武志

扶桑社

楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で人気連載を持つ著者が伝授。 投資でお金をしっかり増やせる人になるために、新NISAが始まったいまだからこそ読みたい株式投資の教科書。 2024年2月22日、日経平均株価がそれまで…

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