(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資を始めたいと思ったら、どの銘柄に投資すればいいのでしょうか? 足立公認会計士事務所代表の足立武志氏は、著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』の中で「銘柄選びはシンプルでよい」と主張しています。一体それはどうしてでしょうか? 理由を本書から紹介します。

単に増収増益なら何でも買ってよいわけではない

ただ注意したいのは、増収増益の銘柄であれば、やみくもに何でも買ってよい、というわけではないという点です。例えば、増収増益が続いている銘柄でも、株価が下げ続けて下降トレンドになっているケースも多々あります。この場合、増収増益が今後は続かない、または成長のペースが鈍化しそうという理由で、投資家がその銘柄への買いを見合わせている可能性が高いです。


一方、株価が上昇トレンドになっている銘柄は、増収増益による会社のさらなる成長を見越して投資家が買い上がっている可能性が大いにあります。したがって、増収増益が続く成長株へ投資する際には、株価チャートを見て株価のトレンドを確認しましょう。そのうえで、下降トレンドであれば買いを見合わせ、上昇トレンドの銘柄のみを買うようにします。


成長株の場合、成長がストップすると株価が大きく下落することが多々あります。高値から10分の1以下というのもまれなケースではありません。したがって、『会社四季報』などでは増収増益になっていても株価が下降トレンドの時は、安易に手を出すと大きな損失につながりかねないので注意が必要です。

テーマ株はできるだけ避けた方が無難

実は個人投資家の多くは、テーマ株に投資しています。でも、株式投資で安定的な成果を上げたいのであれば、テーマ株への投資は避けた方が無難です。なぜなら、テーマ株のメインプレイヤーはデイトレーダーのような短期売買の投資家や、ヘッジファンドだからです。


ヘッジファンドはいわばプロの投資家ですし、デイトレーダーもセミプロのような実力の持ち主が多いです。また彼らは昼間の取引時間中も常に株価を見ることができます。こうした短期売買の投資家が主体の株というのは、短期間に株価が大きく変動します。

 

そのため、昼間に株価をチェックできない会社勤めの方がテーマ株に投資すると、「気がついたら株価が大きく下がっていた」ということになりかねないのです。またテーマ株は、足元の業績の裏づけが薄く、期待感だけで上昇することも少なくありません。この期待感がしぼむと、あっという間に株価は上昇前の水準に戻ってしまいます。


成長株であれば、足元の業績の裏づけがあるため、長期間右肩上がりの上昇を見せることもありますが、テーマ株では右肩上がりの上昇を続けるケースはあまり多くありません。多くは山型のチャートを描き、値下がりしたものを我慢して保有し続けても報われません。

 

もし、テーマ株への投資で成功しているというのであれば、今後もテーマ株投資を続けても問題ありません。しかし、テーマ株投資でどうしてもうまく行かない、というのであれば、増収増益が続く成長株を投資対象にしてみてはいかがでしょうか。

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※本連載は、足立武志氏による著書『お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書』(扶桑社)より一部を抜粋・再編集したものです。

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

お金偏差値30でも始められる 株式投資の教科書

足立 武志

扶桑社

楽天証券の投資情報メディア「トウシル」で人気連載を持つ著者が伝授。 投資でお金をしっかり増やせる人になるために、新NISAが始まったいまだからこそ読みたい株式投資の教科書。 2024年2月22日、日経平均株価がそれまで…

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