株式投資のメリットは資産形成だけではない!
筆者は株式投資を始めてから25年がたちました。もちろん、資産形成という目的で始めましたし、実際に資産形成に大いに役立っています。でも、株式投資をすることによるメリットはそれだけではないのです。例えば、投資する銘柄を選ぶ際には、ある程度、決算書の知識が必要になってきます。
単に決算書の知識を学ぼうとしても、なかなかおっくうで腰が重いと思います。でも、決算書の知識を学んで正しい銘柄選びができれば、自分の資産を大きく増やすことができる……と思えば、やる気が出てくるのではないでしょうか。
また、毎日のニュースで流れる株価のことなど全く気にならなかったのが、日々チェックをするようになり、今の日本や世界のマーケットで何が起きているのかを知りたいと思うようになるのです。
興味がなければ情報のアンテナはいつまでも立たない
人間とはおもしろいもので、同じ情報が耳や目から入ってきても、自分が関心を持っていない内容は頭に全く残りません。でも、株式投資を始めることで、今まではスルーしていたたくさんのニュースが、自分自身の情報のアンテナに引っかかってくるのです。
それもそのはず、しっかりと必要な情報をキャッチしなければ、株式投資で失敗する可能性が高まってしまうからです。企業の業績や国内外の景気情勢、そして近年では世界各国の金融緩和政策の変化の有無などについてもキャッチアップが必要です。
残念ながら「しっかり学ぼう」という気持ちより「儲けよう」という気持ちが強いと、経済やマーケットについてほとんど勉強せず、単に「オススメ銘柄」に投資するだけになってしまいがちです。それではなかなか株式投資で成果を出すのは難しいと思います。
経営者は皆、経済やマーケットの話に詳しい
筆者は仕事柄、経営者の方と接する機会が多いのですが、お会いする経営者の方々は皆、経済やマーケットについて高い関心を持っています。経済動向により、ご自身の経営されている事業にも大きな影響がありますから、当然のことです。
経営者と会話をする時、自分自身が株式投資をしていないと、経済のニュースやマーケットの状況、企業の決算の内容など新聞に書かれていることでも、なかなか頭に入っていないので、会話が盛り上がりません。
でも、特にあなたが若い人であれば、自分自身から積極的に経済やマーケットの話題を振っていくことで、「若いのによく勉強しているなあ」と経営者に気に入られることもあるのです。株式投資をすることは、ご自身の仕事にとっても、間違いなくプラスになるでしょう。
情報の波におぼれないよう注意
株式投資を始めようとしている、あるいは始めたばかりの方に対して筆者から一つだけ注意点を忠告しておきたいと思います。それは「情報の波におぼれないようにする」ということです。
情報の中には、私たち個人投資家にとっては不要なものや、頭が混乱してしまうようなものもあります。特にマーケットの世界においては、いろいろな人がいろいろな立場でいろいろな意見、見解を発信しています。例えば、プロ同士が同じ会社の株価について「今後上がる」「いや、今後下がる」と全く正反対の見解をしている、というのは日常茶飯事です。
また、株価の見通しや為替の見通しなども、いろいろなプロや専門家の話を聞いているうちに、自然と「相場感」を持ってしまいます。その相場感の通りに行動したにもかかわらず、逆方向に株価が動いてしまうと、大きな損失を被ってしまいかねません。
得るべき情報を取得することは当然必要ではありますが、それと同時に、相場感と逆方向にマーケットが動いた場合のダメージを少なくするようなルールの設定と遵守もとても大事です。情報を上手に活用して、情報に振りまわされないように気をつけましょう。