“ちぐはぐ”な経済指標に投資家も困惑…米国の「適切な利下げタイミング」とは【マクロストラテジストの見解】
(※写真はイメージです/PIXTA)
利下げ開始予想の“後ろ倒し”が続いています。FOMCは12日、年内の利下げ回数について「1回」であるとの見通しを示しました。フィデリティ・インスティテュート主席研究員でマクロストラテジストの重見吉徳氏は利下げが遅れている理由に、新型コロナウイルス流行後のFRBの「大失策」が影響していると指摘します。筆者が考える利下げ開始の具体的な時期とその根拠について、詳しくみていきましょう。
遅くとも9月の利下げ開始が適切か
筆者は、9月から利下げが開始され、年内に2回ないし3回の利下げがあると考えています。
特に、11月は5日に大統領選挙が実施され、6~7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。今回の大統領選挙は、価値観の分断のみならず、司法の判断を含め、数百年に1度の混乱をもたらす可能性もあります。
FRBも同じ認識なら(前節でみたとおり、経済面からの利下げは正当化できる状況にあるため)、選挙に向けて9月に「予備的な利下げ」が実施される可能性があるでしょう。そのとき、FRBは「12月に2回目の利下げを行う」ことを示唆するでしょうが、実際に金融市場の変動性が高まれば、11月の「緊急利下げ」もありえます。
話を金融市場全体に移すと、今回の大統領選挙は波乱要因ですし、逆に、たとえば、トランプ氏が当選し、バイデン氏が敗北を認めれば、企業減税への期待から株価は上昇するかもしれません。上下どちらにも備えて「地に足の着いた分散投資」が求められます。
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重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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フィデリティ投信株式会社
マクロストラテジスト
大阪大学大学院経済学研究科博士前期課程修了後、農林中央金庫にて、外国証券・外国為替・デリバティブ等の会計・決済業務および外国債券・デリバティブ等の投資・運用業務に従事。
その後、野村アセットマネジメントの東京・シンガポール両拠点において、グローバル債券の運用およびプロダクトマネジメントに従事。
アール・ビー・エス証券にて外国債券ストラテジストを務めた後、2013年にJ.P.モルガン・アセット・マネジメントに入社、2019年同社マネージング・ディレクターに就任。ストラテジストとして、個人投資家や販売会社、機関投資家向けに経済や金融市場の情報提供を担う。2020年8月、フィデリティ投信入社。
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