捜査網をかいくぐり逃げ続けること50年…特別指名手配犯の意外な最後に「それは勝利といえるのか?」【事件に詳しい元新聞記者が解説】

捜査網をかいくぐり逃げ続けること50年…特別指名手配犯の意外な最後に「それは勝利といえるのか?」【事件に詳しい元新聞記者が解説】

指名手配犯というと、ニュースで取り上げられるなどして大々的な捜査が行われるイメージですが、実際には街中にポスターが貼られたりすることもない「知られざる指名手配犯」が大半だといいます。そんな指名手配犯を専門にした捜査員も存在しますが、彼らが捕まえることができずに、意外な形で最後を迎えた特別指名手配犯がいます。本記事では、『三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える 事件報道の裏側』(東洋経済新報社)より、著者の三枝玄太郎氏が指名手配犯にまつわる話をご紹介します。

指名手配犯を逮捕することが一番多いのは警察官

福田和子事件は一般人の通報が逮捕につながった、いわば指名手配の〝効果〞がいかんなく発揮された例ですが、指名手配容疑者を逮捕することが一番多いのは、実は警察官です。

 

2017年の話ですが、警察庁による指名手配容疑者の捜査強化月間期間中、何と410人の指名手配犯を逮捕したことがあります。そのうち251人は立ち回り先の捜査による逮捕でした。立ち回り先とは、容疑者が手配されたあとに立ち寄りそうな、実家や友人、知人の家などのことです。

 

ほかにも見逃せないのが、職務質問で発見したケースが39人、雑踏などで発見したケースが36人いたことです。

 

警視庁や大阪府警などの都市部を管轄する大規模な警察には、人の顔を覚えるのを得意とし、指名手配犯の逮捕を専門にする手練の捜査員がいるそうです。

 

警視庁は捜査共助課、大阪府警では捜査共助課見当り捜査班、愛知県警は刑事特別捜査隊、福岡県警は刑事総務課にそうした捜査員が配置されています。

 

大阪府警では2017年、見当り捜査班の班長に全国で初めて女性が任命されました。大阪府警は見当り捜査の専門家を育成した全国初の警察です。現在では北海道など全国10の都道府県に専門部署があります。

 

彼ら彼女らは通称「的割りさん」とも呼ばれます。ある的割りさんがテレビ番組で取り上げられているのを見たことがありますが、犯罪者の顔写真が貼られた手帳をつねに持参していました。指名手配犯が一番出くわしたくない人でしょう。

 

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※本連載は、三枝 玄太郎氏の著書『三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える 事件報道の裏側』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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