再逮捕・追送検・追起訴・拘留…ニュースで目にするが実はよく知らない「逮捕」にまつわるエトセトラ【事件に詳しい元新聞記者が解説】

再逮捕・追送検・追起訴・拘留…ニュースで目にするが実はよく知らない「逮捕」にまつわるエトセトラ【事件に詳しい元新聞記者が解説】

容疑者を逮捕した、さらには再逮捕、追送検、追起訴…といった内容のニュースが毎日のように私たちの耳に入ってきますが、それぞれなぜ行われるのか、どう違うのかをはっきり理解している人は少ないのではないでしょうか。逮捕などをされた後に刑事施設に収監される「拘留」についても同様でしょう。そこで本記事では、『三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える 事件報道の裏側』(東洋経済新報社)より、著者の三枝玄太郎氏がこれらの情報について解説します。

再逮捕と追送検、追起訴の違いって?

逮捕の形の1つに「再逮捕」があります。「県警は殺人容疑で○○容疑者を再逮捕した」というニュースは皆さんもよく目にすると思います。

 

これと似たようなパターンで、同じ〇〇被告という人物について「追送検した」「追起訴した」と報じられることがあります。普通は、「ふーん、もう1回逮捕されたり、送検されたりしたのね」とスルーしてしまうのではないでしょうか。

 

容疑者は逮捕されると48時間以内に検察官に身柄を送られます。また、検察へ身柄送検されると、最大で20日間の勾留、逮捕されてからだと22日間の身柄拘束が認められています。

 

この22日が満了しても、別に余罪がある場合に再逮捕されることがあります。再逮捕されると今度は48時間以内に追送検されるかが決まり、さらに22日の勾留が認められます。起訴に足りると判断されれば、追起訴されます。再逮捕なしで追起訴というケースもあります。

 

典型的なのは、たとえば殺人事件で容疑者が遺体をどこかに埋めたケースです。この場合、たいてい最初に逮捕される容疑は死体遺棄容疑というのが相場です。殺人罪の成立には殺意の立証が必要ですし、法定刑も死刑、無期または5年以上の懲役と非常に重罪です。いきなり殺人容疑で逮捕するのは、捜査関係者もためらいがあるのかもしれません。

 

その点、死体遺棄容疑は簡単といってはなんですが、遺体さえ見つかってしまえば、遺体を遺棄したことの立証は容易です。ですからまずは死体遺棄容疑で逮捕し、22日間の拘束期間中に殺人事件についても並行して捜査して再逮捕すれば、22日+22日で44日間、取り調べの時間を確保できます。

 

一度に殺人、死体遺棄の二つの容疑で逮捕したという事件は、私は記憶にありません。死体遺棄容疑で逮捕→送検→死体遺棄罪で起訴→殺人容疑で再逮捕→追送検→殺人罪で追起訴、が定番です。

 

ちなみに追起訴中にさらに余罪が出てきたら、もう一度再逮捕し、追送検→追起訴……を繰り返すことになります。理論上は10回でも100回でも再逮捕しても構いません。ただ、22日×100回=2,200日も勾留するのは物理的に不可能ですし、人権上ありえないでしょう。だいたいは2〜3回、多くても5回くらいという印象です。

 

殺人・死体遺棄と同じようなプロセスをたどるのが、競争入札に関わる贈収賄事件です。それも役所の人間や政治家を逮捕する際に多いのが、競売入札妨害容疑で逮捕→送検→競売入札妨害罪で起訴→収賄容疑で再逮捕→追送検→収賄罪で追起訴、というパターンです。

 

贈収賄事件は大まかに二つに分けられます。一つは、談合が繰り返されており、そのボス役が有力な市町村長や議員らにワイロを渡しているケースです。もう一つは同じ談合でも、自分だけがその工事を落札したくて、役所の人間や有力議員らにワイロを渡し、予定価格を聞き出すというものです。いわゆる「談合破り」のケースです。

 

前者は落札価格が予定価格に近接し、後者ならば1社だけが異様に低い価格を提示して落札することが多くなります。

 

私はどちらのケースも取材したことがありますが、競売入札妨害で先に逮捕されるのは、一つめのケースです。捜査関係者側としては、「もし贈収賄事件として立件できなかった場合でも、最悪、競売入札妨害罪だけで起訴しよう」という肚があります。

 

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次ページ長期勾留をめぐる〝大失態〞

※本連載は、三枝 玄太郎氏の著書『三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える 事件報道の裏側』(東洋経済新報社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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