金融危機後も長期低迷が持続
政府日銀の必死の努力によって金融危機は何とか脱しましたが、その後も長期にわたって日本経済は低迷しました。アベノミクスなどで景気は回復しましたが、回復力は弱く、今でもとても好調とはいえない状態です。
その原因については、多くの論者が様々なことを言っていますが、筆者は「人々が贅沢をせず、老後のために資金を貯めるようになったので消費が低迷しているのだ」と考えています。
「過去の常識が通用しない」と思う局面が増えてきた
筆者は数十年にわたり景気の予想屋をやっていますが、最近「過去の経験が邪魔になる」と感じることがあります。円安の効果、景気対策の必要性、終身雇用制などについてです。
かつて、円高は景気に悪く、円安は景気によい、とされていましたが、最近はそうでもないようです。円安でも企業が輸出数量を増やさないからです。そのあたりのことは拙稿『円安、景気への影響は「ほぼナシ」!? 輸出企業の儲けは株主へ、輸入物価の上昇は消費者にツケ回し…庶民が置かれた厳しい状況【経済評論家が解説】』をご参照下さい。
かつて、日本経済の最大の問題は需要が弱く、失業が増えやすいことでした。そこで筆者は景気対策の重要性を一貫して主張してきました。しかし最近は、少子高齢化による労働力希少の時代なので、需要を増やす政策よりも生産性を高める政策の方が重要になってきているのかもしれません。ちなみに労働力不足を労働力希少と呼ぶ理由については拙稿『賃金上昇に、企業の〈強制ホワイト化〉まで…これからの日本経済に「労働力の希少化」がもたらすスゴイ効果【経済評論家が解説】』をご参照下さい。
終身雇用についても、最近の若い人の意識は大きく変わっているようです。もしかすると、日本でも若者が積極的に起業して経済が活性化する時代が来るのかもしれません。期待しておきましょう。
今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。
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塚崎 公義
経済評論家
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