今週の注目点=注目度の高い米経済指標発表が多い
今週は、注目度の高い米経済指標の発表が多く予定されています。なかでも注目を集めそうなのは、PPI(生産者物価指数)、CPI(消費者物価指数)といったインフレ指標、そして小売売上高など。おもな予想は、以下の通りとなっています。
〈14日〉4月PPI総合=前回2.1%、予想2.1%
同コア=前回2.4%、予想2.3%
〈15日〉4月小売売上高=前回0.7%、予想0.3%
4月CPI総合=前回3.5%、予想3.4%
同コア=前回3.8%、予想3.6%
5月NY連銀製造業景気指数=前回-14.3、予想-10.0
今のところ、インフレ指標も前回並みや前回より弱い数字が予想されています。このような予想を大きく裏切り、インフレ懸念が再燃するといったことにならない限り、米金利の上昇は限られる可能性が高いでしょう。すなわち、米ドル/円の上昇にもおのずと限度がありそうです。
テクニカルには、米ドル/円が156円を大きく越えられるかが注目されます。米ドル/円は、5月1日の2度目の介入があったと見られた局面で、急落後の反発は156円を大きく越えられないところで終わりました。また、先週の米ドル反発も、156円手前までにとどまりました。以上から、米金利の動向をにらみながら、再び156円を大きく越えてくるようなら、3度目の介入をめぐる思惑から、荒れた展開になる可能性があります。
3度目の介入があった場合はもちろん、介入がなくても、米ドルの上値が重くなるようなら、大量の米ドル買い・円売りポジションの損益確定売りから、米ドル下落リスクが拡大することも考えられるでしょう。
以上を踏まえ、今週の米ドル/円は153~158円中心のレンジで、3度目の介入をにらみながら、徐々に米ドルの上値の限界を確認する、といった展開を想定します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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