今回は、銀行交渉を有利に進める「金利の相場」の把握について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

「自社の借入金利が低い」と自慢する根拠とは?

ある経営者が、「ウチの借入金利は低いですよ」と言われるので、「ちなみに何パーセントくらいですか?」とお尋ねしました。

 

「そうですねぇ、メガバンクで1.7%くらいですね」と、お答えになられました。「最近の平均約定金利をご存知ですか?」と、言いたいところだったのですが、そのような場ではなかったので、「そうですかぁ・・・・」とだけ、申し上げました。

 

かつて、金利が7%や8%、あるいはそれ以上、という時代を経験してきた経営者にとって、1.7%というのは、“かなり低い”という印象なのでしょう。しかし、時代は変わっているのです。

 

日本銀行が、毎月、約定平均金利を公開しています。日本銀行の資料の中に、<平均金利>が記されています。ちなみに2016年10月のは短期の平均金利は、0.674%、長期の平均金利は、0.870%、長短の平均金利は、0.779%、となっています。

 

みなさんの借入金利は、平均より、高いでしょうか? 低いでしょうか?

「交渉」しなければ銀行金利は下がらない

私の顧問先でも、先日、0.33%という提示を受けた企業がありました。担保も保証人も「いただきません」と書かれてあります。

 

但しそれは、他行との交渉をシビアに進めた結果、であり、オフバランスを進めて、銀行が貸したくなる財務内容になってきた結果、なのです。

 

交渉をしなければ、銀行金利は下がりません。財務状況が悪すぎても、銀行金利は下がりません。金利が下がれば、その分、経常利益が増えてきます。しかも長期であれば、7年、10年にわたって影響します。キャッシュフローに与える効果は大きいのです。

 

金利の相場を知り、銀行金利を交渉する、ということに、もっとシビアになってほしいですね。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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