銀行がお金を貸すのは「ビジネスだから」
前回登場した、女性経営者の夫である経営パートナーに、
「苦しかった時に銀行が300万円貸してくれていたら、その後はず~っと、その銀行に恩義を感じていたでしょう?」
と尋ねてみると、
「いやもう絶対に、その銀行を裏切ったらいかん! という思いになっていたでしょうねぇ。頭が上がりませんよ。その銀行に足を向けて寝るのも気を使っていたかもしれません」
と、しみじみと語っておられました。
しかしこれも、考えてみたらおかしな話しなのです。万一、苦しい時に融資をOKしてくれたとして、なにも銀行担当者の一存で融資が決まるわけではありません。助けようと思って貸すのではないのです。返済能力があるとみるから、貸すだけの話です。あくまでも、ビジネスの話なのです。
経営者は「感情」に流されないよう気を引き締めて
それなのに、オトコはそういうところを妙に勘違いし、恩人扱いしてしまうところがあります。
「苦しいわが社を助けてくれた・・・」と。
そうです、恩とか義理に弱いのです。みんな、高倉健のようになってしまうのです。
勝手な思い込みで、常に恩を感じて行動する、義理堅い男を演じてしまいたくなるのです。但し、本当に親身になっていただいた方には、このような思いは生きてきます。その使い分けがヘタなのでしょうね、オトコは。
結局、このあたりのことが、先に連載した、"銀行サマサマ病"にもつながってくるのす。
オンナは情に流されやすく、オトコは恩に流されやすい・・・。情も恩も、生きてゆくうえで必要なものです。が、こと経営に関しては、それに流されていないか、常に気持ちを引き締めて行動したいですね。