今回は、男性経営者の義理堅さが、銀行交渉時に足かせとなりやすい理由を見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行がお金を貸すのは「ビジネスだから」

前回登場した、女性経営者の夫である経営パートナーに、

 

「苦しかった時に銀行が300万円貸してくれていたら、その後はず~っと、その銀行に恩義を感じていたでしょう?」

 

と尋ねてみると、

 

「いやもう絶対に、その銀行を裏切ったらいかん! という思いになっていたでしょうねぇ。頭が上がりませんよ。その銀行に足を向けて寝るのも気を使っていたかもしれません」

 

と、しみじみと語っておられました。

 

しかしこれも、考えてみたらおかしな話しなのです。万一、苦しい時に融資をOKしてくれたとして、なにも銀行担当者の一存で融資が決まるわけではありません。助けようと思って貸すのではないのです。返済能力があるとみるから、貸すだけの話です。あくまでも、ビジネスの話なのです。

経営者は「感情」に流されないよう気を引き締めて

それなのに、オトコはそういうところを妙に勘違いし、恩人扱いしてしまうところがあります。

 

「苦しいわが社を助けてくれた・・・」と。

 

そうです、恩とか義理に弱いのです。みんな、高倉健のようになってしまうのです。

 

勝手な思い込みで、常に恩を感じて行動する、義理堅い男を演じてしまいたくなるのです。但し、本当に親身になっていただいた方には、このような思いは生きてきます。その使い分けがヘタなのでしょうね、オトコは。

 

結局、このあたりのことが、先に連載した、"銀行サマサマ病"にもつながってくるのす。

 

オンナは情に流されやすく、オトコは恩に流されやすい・・・。情も恩も、生きてゆくうえで必要なものです。が、こと経営に関しては、それに流されていないか、常に気持ちを引き締めて行動したいですね。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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