(※写真はイメージです/PIXTA)

年金機構から届く大切な封筒を、新聞、チラシに埋もれ、思わず放置してしまっていたり、捨ててしまったりということはありませんか。本記事では小島さん(仮名/62歳)の事例とともに、年金機構から届く通知や年金制度について、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。

在職老齢年金の制度

さらに、小島さんは年金事務所の窓口で相談した際に「在職老齢年金」の制度についても知ることになりました。特別支給部分の老齢厚生年金の受給額を質問する際に、職員からいま勤務しているかどうかを尋ねられ、その際に65歳未満の人の場合は年金額と賃金の合計を月割した金額が28万円を超える場合には、超えた分の1/2がカットされて受け取れるというものでした。

 

現役のころより給与の額は下がっているとはいえ、小島さんの現在の年収を月割すると25万円となり、計算式は下記のようになります。

 

計算式:(報酬額25万円+年金月額6万5,000円ー28万円)×1/2=1万7,500円

 

となり、年間約21万円の年金がカットされるということでした。

 

小島さんは正社員時代の癖で定時で帰宅せずに、惰性でいつも少し残って残業していました。しかし、公的年金が減ってしまうのはまずいと、残業はできるだけせずに定時で帰るように努力するようになりました。

 

なお、現在では制度が改正になり、65歳未満の人、65歳以上の人共に年金月額と報酬等の月額が48万円を超えた場合に適用されています。

 

こうして、事前に封筒を見つけたことにより危うく請求漏れしてしまいそうだった年金を請求することができ、減額されそうだった年金を満額受け取ることができることができたのでした。

 

小島さんはしっかり者の娘に心から感謝しました。

年金は制度を正しく理解し、不明な点は必ず問い合わせる

今回は危うく年金を受け取り損ねてしまいそうになった小島さんの事例をご紹介しました。

 

年金制度はとても複雑で、今回のような支給開始年齢の引き上げる際など制度が大きく変わる際には特に注意が必要です。

 

また、年金機構からの通知は重要な書類が多く、自身の年金加入の記録に関する情報も送られてきます。内容が誤っている場合もあり、その場合には本来受け取れる金額よりも少なくなったり、受給できるはずだった年金が受給できなくなるような場合もあります。

 

そのため、こういった通知が届いた際にはすぐに中身を確認し、不明な点はお近くの年金事務所に問い合わせするようにしましょう。

 

 

小川 洋平

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