地主の相続において、後継者選定は非常に難しい問題です。承継前までは上手く準備が進んでいると思い込んでいても、承継後に想定外の事態となるケースも少なくありません。本記事では白川家(仮名)の事例とともに、地主の相続における後継者選定の注意点について、ティー・コンサル株式会社代表取締役でメガバンク・大手地銀出身の不動産鑑定士である小俣年穂氏が解説します。
黒幕の存在
話によると、一成の妻が実質的な社長のように振舞っているようだ。また、社名の変更も検討しているという。
一成は、どちらかといえば以前からあまり表立ってリーダーシップを発揮するタイプではなく、言われたことをそのとおりに実行するような性格である。代表取締役に選任した理由も、自ら会社をコントロールしようとすることはないであろうとの判断からであった。
振り返って考えると、嫁が裏で糸を引いていた可能性が高いといまでは思っている。
まとめ:後継者の選定はじっくり慎重に
・円滑な承継を志して実施したものの後継者から思わぬ対応を取られることがある
・長男などに拘らず人望のある適性の高い人物を後継者に据える必要がある
・遺産分割の際にも問題になるが、長男の嫁(または娘の夫)などが裏で糸を引いているケースがある
・「種類株式」や「属人的株式」の導入も検討し、しばらく様子をみることも対策のひとつである
・後継者の選定にあたっては独断で決めずに、多くの助言を得たうえで判断することも必要である
・仮に、株式を子供たちに等分で承継させる場合には将来的な争いのもとを作ることになりかねないことから基本的には1人に承継させるべきである
地主の相続における後継者選定にあたっては、以上のポイントに注意したい。
小俣 年穂
ティー・コンサル株式会社
代表取締役
<保有資格>
不動産鑑定士
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士
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ティー・コンサル株式会社
代表取締役
不動産鑑定士
1級ファイナンシャルプランニング技能士
1978年東京都出身。中央大学経済学部卒。
大学卒業後、不動産鑑定業者にて鑑定業務、不動産ファンドビジネスに従事。その後、金融の視点から不動産の価格形成を理解するため銀行(三井住友銀行)へ転職。融資業務、与信管理業務、アセットマネジメント業務(出向先にて)に従事したのち、個人富裕層向けコンサルティング業務に従事。アパートローン融資、資金運用、税金対策、遺言作成など承継対策業務を幅広く経験。その後、横浜銀行に転じ本部所属のうえ担当地区内のコンサルティング能力向上、富裕層取引の拡大などで貢献し頭取表彰も受賞。2022年にティー・コンサル株式会社を創業。金融に精通した不動産専門家として、多くの資産家(地主・経営者)や専門家(弁護士・税理士)からの相談を受けオーダーメイド型の問題解決を行っている。また、不動産鑑定士として銀行、税理士、上場企業などから依頼を受け不動産評価にも取り組んでいる。
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