(※写真はイメージです/PIXTA)

定年退職をした後は、基本的に収入の柱は「年金」になります。多くの場合、収入よりも支出の方が多くなるため、その差額をどうカバーするかを考えなくてはなりません。その1つの手段が「投資」です。本記事では『一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本』(日本実業出版社)から、著者の川島睦保氏が老後資金の不足を「配当」でカバーする方法をシミュレーションを用いて解説します。

インフレにも強い〝自分年金〟ができた!

それらを合算すると、55歳から毎月10万円(毎年120万円)を配当利回り4%の銘柄に投資した場合、定年退職を迎える65歳時点の総額は1,900万円、すなわち1,500万円(元本+配当金)+400万円以上(値上がり益)になっている。

 

A銘柄をすべて売却して、値上がり益(含み益)を現金化し、その現金を再び配当利回り4%の銘柄(別の銘柄でも可)に投資すれば、未来永劫、株式の配当収入(減配でもない限り)だけで月当たり6.3万円(年間76万円=1,900万円×0.04)の老後資金を稼ぎ出せる。

 

国民基礎年金の給付額が月当たり6万円であることを考えると、もう一つ基礎年金ができる計算だ。

 

前述のように、平均的な老後生活(=必要資金28万円)を送るためには、公的年金(22万円)のほかに6万円の収入が必要だ。この株式配当金の収入があれば退職後にわざわざ働かなくてすむ。

 

しかも投資元本の1,900万円は生活費として取り崩す必要はなく、自分が死んだあとは配偶者や、子供や孫への遺産として残すことができる。

 

しかも株式配当による〝年金〟は、公的年金のように時の政府のさじ加減で減額される心配がない。インフレにも強い。優良企業は原材料費や燃料費、人件費の上昇に対して製品価格やサービス料金の値上げで対応できるので利益水準の維持や拡大を図ることができる。

 

場合によっては、配当を増やす余地が出てくるかもしれない。インフレで目減りする一方の銀行預金とは大違いだ。

 

ゆとりある老後生活(=必要資金36万円)を送るためにもっと配当収入額を増やしたいのであれば、毎月10万円の積立金を、さらに12万円、15万円と上積みすればよい。

 

老後は働かず生活費を公的年金(22万円)と株式配当金で賄おうとすれば、ひと月当たり14万円の配当収入が必要だ。そのためには、退職前までに4,200万円(=14万円×12カ月÷0.04)のおカネを用意しなければならない。そのためには毎月22万円以上、年間260万円以上の積み立て投資をしなければならない。

 

普通のサラリーマンにはかなりハードルが高い。しかし共働き世帯なら夫婦2人で積み立て資金を分担し、積立期間を10 年から15年へ広げるなどの工夫をすれば、決して手の届かない数字ではない。

 

逆に資金に余裕のない人は背伸びをせず3万円、5万円の積み立て投資でもオッケーだ。チリも積もれば何とかで、老後資金の十分な足しになるはずだ。

 

もちろんここで示したシミュレーションのように、すべてが想定どおり順調に運ぶとは限らない。10年のあいだに投資した銘柄の株価が思わぬ経営危機で大きく値下がりし、配当が減配や無配に陥ったりするかもしれない。倒産や吸収合併で、投資した銘柄の株価が紙くず同然になっているかもしれない。

 

だからこそ、投資対象をそうしたリスクの少ない安全な銘柄、つまり業界トップの企業に絞り込むことが必要なのである。もちろん業界のトップ企業といえども、今後予想される技術革新やグローバル化の荒波と無縁ではない。

 

だが、下位の企業に比べれば生き残れる確率が高い。投資の金額が大きくなれば、複数の業界トップ企業に分散投資を行なうことが可能になる。株価の値下がりや減配・無配のリスクをさらに減らすことができる。

 

 

川島 睦保 

フリージャーナリスト、翻訳家

 

※本記事は『一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本』(日本実業出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

 

 

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