本業以外のことで銭儲けを考えるのは「ギャンブル」
前回は「銀行都合の融資話」を持ちかけられた社長の例をお話ししました。今回は、「有価証券類」を銀行から勧められている社長のお話です。
「銀行からこう言われて、つい手が伸びてしまって・・・。」
でその結果、決算書の有価証券がこげついている。そのようなケースにもよく出会います。
「これは手堅い商品ですよ」「これは有望ですよ」このようなささやきに、つい手が伸びてしまうそうです。
本業以外のことで銭儲けをしようとして、うまくいくはずがありません。万一うまくいったとしても、結局、次も手を出します。で、大ケガをします。そこで初めて、自分の過ちに気が付くのです。
これは投資でもなんでもなく、まさにギャンブルです。
不要な有価証券があるなら、売却したほうが「得」
さらに大変なのは、現預金がないのに、借入までしてそのような商品を買ってしまっている場合です。残ったのは借金だけ。そうなると、そのツケを払うのは従業員、ということになってしまいます。
もし今現在、不要な有価証券があるなら、すぐ売ってしまうことです。持っていても、何のプラスにもなりません。むしろ売却して特別損失を出し、税金でのキャッシュアウトを減らしたほうが、大いに得です。
有価証券が「上がった、下がった」で、一喜一憂するのが、経営者ではありません。例え社長といえども、経営資源を個人の投機目的に使うべからず、なのです。