2024年5月の注目イベント
■米国では、4月30日~5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。米連邦準備制度理事会(FRB)は3月のFOMCで、政策金利を5会合連続で据え置き、経済見通しでは年内3回としていた利下げ予想を維持しました。しかし、4月に入り発表された3月の雇用統計や消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る内容となり、米経済の底堅さとインフレ圧力の根強さを示しました。このためパウエル議長は4月16日、金融政策について「必要な限り現在の引き締め的な水準を維持する」と述べ、利下げ転換に慎重な姿勢を示しました。FRBの利下げ観測が大きく後退するなか、今回会合の声明文やパウエル議長の会見、量的引き締め(QT)の資産圧縮ペースの減速方針が注目されます。また、その後発表される4月の雇用統計やCPI、個人消費支出(PCE)デフレーターなどの経済指標が注目されます。
■日本では、16日に1-3月期のGDPが公表されます。認証試験不正問題に伴う自動車の減産や能登半島地震という一時的な要因で、実質GDPはマイナス成長になった可能性があります。ただし、4-6月期以降は、賃金の増加、経済対策(定額減税・給付金)により緩やかな成長軌道を辿るとみられます。
(2024年4月25日)
石井 康之
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフリサーチストラテジスト
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