投資の世界では「リスクを分散させるために、特定の商品や地域だけに投資するのではなく、複数の商品や地域に投資を行う」ことが基本セオリーです。資産の保有方法についても同じで、資産を日本円だけでなく、海外の通貨でも保有することで、資産価値が目減りするリスクを分散することができます。本記事では経済のプロがおすすめする「今、もつべき海外通貨」について解説します。
資産は「ドル」を基軸にするのが安全
私たちが海外での資産運用が望ましいと考えるのは、「日本国内だけに資産を置いておくのは危険」ということに加えて、「日本円だけで資産を持つのは危険」という意味も込められています。
もちろん、日本国内で生活している以上、日本円なしで生活することはできませんから、一定の額の資産を日本円で持っておく必要はあるでしょう。しかし、それは最低限でいいのです。ここで言いたいのは、資産のすべてを日本円ベースで持つことのリスクなのです。
世界の多くの国々は、自国通貨の価値を高めようと必死になっています。自国通貨の価値が上がれば、輸入産業が潤い、国民の生活も豊かになるからです。
しかし、日本の場合、円安が進みすぎると、自動車関連分野など一部の輸出企業は恩恵を受けるものの、そのことにより、多くの日本人が豊かになるわけではありません。輸出産業にしても、主要な企業はすでに生産拠点をアジアなどの海外に移しており、経済成長にとってはマイナスに働く可能性が高いのです。
日本のGDPはこの14年間で世界2位から5位に大転落
円安が進むということは、日本人がそれだけ貧乏になっていると考えられます。もう誰も言わなくなってしまいましたが、中国のGDPは今や日本の約5倍にまで成長しています。2009年にアメリカに次ぐGDP世界第2位の地位を中国に奪われたときは大騒ぎとなりましたが、気がつけば、すでに日本のGDPは中国の約5分の1になっているのが現実です。それどころか、2023年にドイツ、2027年にはインドにも抜かれて、日本はGDP世界第5位に転落すると予想されています。
現在の為替相場は、1ドル140円~150円ほどです。東日本大震災が起こった2011年は1ドル75円程度でしたから、あれから10数年で50%以上円安が進んだことになります。GDPはドルベースで発表されるため、中国とこれだけ差をつけられたのも納得がいきます。政府が円安を容認している限り、この動きにしばらく変化はないでしょう。残念ながら、今や円は世界の〝負け組通貨〟になりつつあるのです。
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株式会社T&T FPコンサルティング
代表取締役社長CFP
早稲田大学卒業後、大和証券に入社。ロンドン大学留学後、大和スイスSAにて、日本株・債券の投資アドバイザーとして8年間勤務。その後、外資系証券会社数社に機関投資家マーケティング部門の責任者として勤務。1990年からスイスの大手プライベートバンクであるピクテ(ジャパン)の取締役として5年間勤務。1996年に独立して、主に個人富裕層を対象に資産運用のコンサルティング業務を開始。主な著書に『資金3000万円からできるスイス・プライベートバンク活用術』(同友館)、『世界の富豪に学ぶ資産防衛術』(G.B.)などがある。
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連載『富裕層なら知っておきたいスイス・プライベートバンクを活用した資産保全』
株式会社T&T FPコンサルティング
取締役CFP
1985年生まれ。日本大学経済学部経済学科卒業後、豪ボンド大学大学院でビジネススクールBBTグローバルリーダーシップMBA(経営学修士)取得。経営コンサルティング、資産運用会社で実務経験を積み、株式会社T&T FPコンサルティングのコンサルタントとして従事。2014年にCFPを取得し、取締役となる。現在、個人向けの資産運用相談業務を担うファイナンシャルアドバイザーとして活躍している。
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連載『富裕層なら知っておきたいスイス・プライベートバンクを活用した資産保全』
株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所
代表取締役税理士
慶應義塾大学卒業。現みずほ銀行・本店出向(新金融商品開発業務)、現KPMG税理士法人等を経て独立。現株式会社パリミキ・ホールディングス社外監査役。プライベートエクイティファンド及びその投資先企業、関係する創業経営者個人の顧客を中心として創業した会計事務所という特色がある。戦略的M&A税務ストラクチャーの提案、国際資金調達、エクイティファイナンスに関連する法人税務及び個人富裕層に対する所得税・相続税対策業務に従事し、特に、きめ細かい税務調査対応では一定評価を得ている。
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連載『富裕層なら知っておきたいスイス・プライベートバンクを活用した資産保全』
株式会社ユナイテッド・パートナーズ会計事務所
パートナー税理士
経済学修士、商学修士、MBA(豪)慶應義塾大学会計大学院修了。アーサーアンダーセンなど世界4大会計事務所等を経て2003年ユナイテッド・パートナーズ会計事務所創業に参画。プライベートエクイティファンドや産業再生機構の100社を超える大企業投資先のMBO型企業再生案件に携わる。PEファンド運営会社及びM&A買収企業の会計・税務体制のインフラ整備から税務調査対応までワンストップでの役務提供に定評がある。PEファンド経営陣や投資先企業の創業家ファミリー等、数多くの富裕層の財産管理業務、所得税、相続税対策、申告書作成から税務調査対応に従事。著書に、女性のライフステージ別お金のガイドブック『幸せへのマネーバイブル』(2007年、中央経済社)がある。
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