「メールで書くより、話したほうが早い」という屁理屈
情報共有することはすべて、口頭で伝えるべきではないと私は考えている。口頭で話すというのは、空中に言葉を放っているようなもの。空中に舞った紙吹雪をすべて捕まえられないように、放たれた言葉をすべて把握することはできない。
私はコロナ禍になってから事前に文書や動画を作り、それを相手に送ってから1対1で話すようにしている。そこまでできないなら、少なからず(4)の「後に残ること」を意識してコミュニケーションをしよう。
チャットでもメールでも、文章として蓄積される。オンライン会議のツールを使えば、録画して残すことができる。「部長は途中で何と言っていたのか。メモが追いつかなかった」という場合、録画したオンライン会議の様子を再生させればいい。「たしか、会議が始まってから10分ぐらいに言っていた」と思うなら、倍速で視聴して、その個所を後で見つけたらいい。
たまに、「メールで書くより、話したほうが早い」と言う人がいる。しかし、これは屁理屈だ。幹(本質)ではなく、枝や葉っぱにしか意識が向いていない。デジタルやオンラインのツールを嫌がる人は、・覚えていないだけ・慣れていないだけである。
若者と同じ目線でコミュニケーションするためにも、まずは覚え、慣れるところからだ。それもしないで否定すると、信頼関係は生まれない。
横山 信弘
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長
経営コンサルタント
※本記事は『若者に辞められると困るので、強く言えません』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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