「メールするより話したほうが早い」は屁理屈でしかない。若手社員とのやりとりは「オンライン一択」と断言できるワケ【マネジメントのプロが解説】

「メールするより話したほうが早い」は屁理屈でしかない。若手社員とのやりとりは「オンライン一択」と断言できるワケ【マネジメントのプロが解説】

仕事の依頼内容やアイデアの中身をできる限り正確に伝えたい場合、どんなやり方で伝えるのが効果的か? マネジメントのプロ横山信弘氏は「オンラインのテキスト一択」だと語ります。今回は、横山氏による著書『若者に辞められると困るので、強く言えません』(東洋経済新報社)から、その理由について詳しく解説します。

会話の「キャッチボール」ができる手段を選ぶ

それにしても、口頭で話すと何が問題なのだろうか? 

 

それは、話がまとまらないことだ。これは文字起こしをしてもらえれば、わかる。話した言葉をそのままテキストに変換してみたらいい。今ではAIの音声認識機能を使えば簡単にできる。私も過去、多くの取材を受けた。理路整然と話したつもりだが、話した内容をそのまま文字にされた文章を読んで、かなり失望した。私の話し方がヘタなだけかもしれないが、それにしてもヒドイ結果だった。

 

原稿を事前に用意しておくか、TVキャスターのように毎日鍛錬しない限り、わかりやすく話すことは非常に難しいのである。

 

だから、(2)の「編集ができること」というのは、とても大きな利点だ。

 

部長に対して若いメンバーが質問したとする。その質問が的を射ていたらいいが、そうでなかったら、「何の質問をしてるの?」「君は、何を言っているのか、自分自身でわかってる?」と言われてしまうかもしれない。

 

しかし、テキストベースのチャットやメールだと、テキストを打ち込んでいる最中から編集できる。送信する前に読み返すこともできる。部長が話すこと、メンバーが質問すること、それぞれの内容を思いつくまま口頭で放つより、落ち着いて編集できるチャットやメールのほうが正しく伝わるのだ。

 

大事なことは「対話」すること。言葉のキャッチボールをすることだ。だから(3)の「何度も確認できること」も大事なのである。

 

目的(幹)は相手が理解すること、納得すること、認識のズレがなくなることだ。1回や2回のキャッチボールで、「ほぼ理解できた」という状態に持っていくことは不可能である。話し手は、聞き手がキャッチしやすい球を投げること。そして聞き手も、話し手がキャッチしやすい質問を返すことだ。

 

特に、まだ経験の浅い若者に何かを伝えるときは、球を投げつけてばかりではいけない。ちゃんとキャッチボールできることが重要だ。メールよりもチャットをお勧めするのは、リアルタイムにキャッチボールがしやすいツールだからである。

 

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若者に辞められると困るので、強く言えません ―マネジャーの心の負担を減らす11のルール

若者に辞められると困るので、強く言えません ―マネジャーの心の負担を減らす11のルール

横山 信弘

東洋経済新報社

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