「フィリピン」経済面で「米・日」との関係強化、中国の脅威に対抗

4月22日週「最新・フィリピン」ニュース

「フィリピン」経済面で「米・日」との関係強化、中国の脅威に対抗
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は、世界的な地政学リスクの高まりの中で、フィリピン経済が進んでいる方向性と、海外投資家がフィリピンへの投資をどうみているのか、レポートします。

中国の脅威に対抗…「米・日・比」が経済面でも協力

アメリカは、中国が排他的経済水域(EEZ)に侵入していることについて、フィリピンを強く支持しており、フィリピンはアメリカとのより強固な経済・安全保障パートナーシップを求めています。

 

また、フィリピンはアメリカ製品にとって重要な市場であり、2021年においては、フィリピンはアメリカからの農産物輸出額で8番目に大きな市場であり、東南アジアでは1番の市場です。マルコス大統領は、アメリカとの自由貿易協定(FTA)を推し進め、鉱物資源に関するアメリカとのパートナーシップを強化する意向を示しています。

 

5月21日には、アメリカ貿易開発局(USTDA)が初めてマニラでIndo-Pacific Business Forumを主催します。このフォーラムには、500人以上の企業幹部と政府関係者が集まる見込みです。マルコス大統領は、このフォーラムは、新興経済国への投資と成長を促す触媒となるだろうと期待を寄せています。

 

またアメリカ、日本、フィリピンの3ヵ国は、ルソン島にEconomic Corridor(経済回廊)を構築する計画を発表しました。これは、インド太平洋地域で初めての試みで、高い影響力を持つプロジェクトへの協調投資を実施します。マニラ、バタンガス、スービック湾、クラークを結ぶこの回廊は、鉄道や港湾などの重要インフラプロジェクトに焦点を当て、半導体、クリーンエネルギー、サプライチェーンなどの戦略的投資が含まれます。

 

さらに米国と日本は、マニラでのイベントを通じて投資を促進し、オープンRAN技術のフィールドトライアルやアジアオープンRANアカデミーの設立も発表しました。フィリピンの半導体業界の強化や安全な原子力発電の拡大にも焦点を当てています。これらの取り組みにより、フィリピンは今後5〜10年で1,000億ドルの投資を獲得する見込みで、中国との関係悪化に備えて米国や日本との連携を強化しています。特に、マニラ、バタンガス、スービック湾、クラークを結ぶインフラの整備が計画されており、これによりルソン島全体の経済的な発展が促進されることが期待されます。

 

さらに、半導体産業やクリーンエネルギー分野への投資など、戦略的な分野への投資も行われる予定です。これらの取り組みにより、ルソン島はより持続可能で発展的な経済を実現するための重要な一歩を踏み出すことになると見られています。この計画はアメリカ、日本、フィリピンの関係を一層強化するものであり、これにより各国の経済的な結びつきが深まり、安定した発展が促進されるでしょう。さらに、地域全体の安全保障にも寄与することが期待されます。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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