日米ともにしばらく方向感のない展開続く
それでもやっぱり上げきれないところに、まだ弱さがみられる。米国の半導体株の大幅高を受けて高く始まった日経平均株価は上げ幅を縮め、また陰線を引いた。
25日移動平均線でしっかりと頭を抑えられている。この程度のテクニカル的な抵抗線をうわ抜けられないのは、まだ相場が弱い証拠。下値は堅い、しかし、上値も重いという状況だ。
日経平均の足を引っ張っているのが大幅に3日続落しているファーストリテイリング(9983)だ。昨日11日の決算発表で2024年8月期(今期)の純利益を前期比8%増の3,200億円と従来予想(5%増の3100億円)から上方修正した。日本経済新聞は「ファストリ最高益」と報じたが、営業利益は前期比18%増の4,500億円と従来予想を据え置き、QUICKコンセンサスを下回った。期待に届かなかったとして、株価は4%を越える大幅安となった。
一方、東京エレクトロン(8035)など半導体株は買われ上昇した。しかし、チャートが示すとおり、ほぼ横ばいでもみ合いを離れていない。実はエヌビディア[NVDA]も同様である。
11日の米株式市場でナスダック総合株価指数が3週間ぶりに最高値を更新とはいうものの、ほとんどボックス圏の動きにとどまっている。
結局、日米ともに株価が上放れてくる兆しとそのきっかけが見えない。もうしばらく方向感のない展開が続きそうだ。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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