(※写真はイメージです/PIXTA)

公益財団法人 日本生産性本部『労働生産性の国際比較2023』とともに、「安いニッポン」の実態をみていきます。

「中間層の拡大」とは言うが…「中間」はどこ?

恐ろしいほどの経済格差が深刻化している日本社会。だからこその「中間層の拡大」が求められているといえるでしょうか。

 

では、現在日本の中間とはどこか。

 

厚生労働省『国民生活基礎調査』(2022年)より、平均所得について見てみると、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が545万7,000円。「高齢者世帯」が318万3,000円、「高齢者世帯以外の世帯」が665万円、「児童のいる世帯」が785万円となっています。

 

やはり気になるのは分布図。同調査によると、「200万~300万円未満」が14.6%、「100万~200万円未満」が13.0%、「300万~400万円未満」が12.7%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値は423万円。平均所得金額(545万7,000円)以下の割合は61.6%と過半数を超えています。

 

一方、23年12月末時点の家計の金融資産が過去最高の2,141兆円になったことも報告されています(日本銀行)。

 

経済を活性化させるためには消費の増加が必要不可欠。しかしそんなお金なんてない、貯蓄に回すほかない日本人。国そのものの「貧困」は負のスパイラルをもたらし、私たちの生活を苦しめ続けています。

 

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