国民年金「支払うのはばからしい」と考える若年世代は多いが…
全日本人の関心ごとともいえる年金の問題。
いまの高齢者は勝ち逃げ、若年世代払い損。
年金を納付しても、そのお金は高齢者を支えるだけ。
自分が受給するときには果たしてどれほど減額されるのか、いっそ払わない方がマシ…。
若い世代のなかにはこのような考えを持ち、国民年金をあえて支払わない人、あるいは、支払えないことの言い訳としている人もいるようだ。
しかし、国民年金は日本に住む20歳以上の国民すべてが加入する年金であり、学生でも無職でも、保険料を支払う義務がある。
厚生労働省によると、令和6年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額時の支給額は月6万8,000円、厚生年金はモデル夫婦で23万0,483円。物価や賃金の上昇に伴い、2.7%引き上げられたが、昨年の物価上昇率が3.2%、過去3年間の名目賃金の上昇率が3.1%であることを考えれば、実質的には目減りである。
厚生労働省『令和2年 国民年金被保険者実態調査』によると、国民年金第1号被保険者は1,238.4万人。そのうち保険料の納付者は605万人、そのうち完納者が 492.2万人、一部納付者が 112.9万人、申請全額免除者が 206.2万人、学生納付特例者が177.9万人、納付猶予者が56.1万人。そして滞納者が193.1万人で、全体の15.6%を占めている。
国民年金保険料未納者を年齢別に見ると、数も割合も多いのが20代後半だ。数は36.1万人、納付対象者に占める滞納者の割合は20.6%となっている。
滞納者の平均世帯所得額の中央値は195万円、月収ではおよそ16万円とかなりの低所得だが、世帯所得1,000万円を超える滞納者も2.7%程度いる。