足元一番のリスクは利下げの道筋が見えないこと
Finacial Timesのグローバル・ビジネス・コラムニスト、ラナ・フォルーハーの記事によれば、「米市場調査会社カレンシー・リサーチ・アソシエイツは2月の報告書で、エヌビディアのいまの株価は今後4,500年間、配当を出し続けなければ正当化できないと指摘した」という。どういう前提によるモデルかがわからないので、なんともいえないが、そのような見方があるのも事実ということである。
相場全体にせよ、個別株にせよ、バリュエーションの議論は難しい。いかようにも解釈できる、言い換えれば絶対的な正解がないからだ。
しかし、われわれがこれまで過去に参考にしてきた「常識的な」尺度というものはある。それに照らせばいまの米国株の金利対比のバリュエーションは割高である。This Time Is Different という声はあっても、である。
この状況を解消するには、FED(連邦準備制度)の利下げの道筋が見えることだが、それが一向に見えなくなってしまっているという点が、足元の一番のリスクである。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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