保育園に預けられなければ退職一択だったが…2001年に第一子を出産した女性がいま、「男性の育休黎明期」について思うこと【ライフキャリアコンサルタントが解説】

保育園に預けられなければ退職一択だったが…2001年に第一子を出産した女性がいま、「男性の育休黎明期」について思うこと【ライフキャリアコンサルタントが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2022年10月より、男性の育児休業取得を推進するため、子の出生日から8週までの期間に取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されました。政府は2025年までに男性の育児休業取得率を30%とする目標を掲げていますが、現状、男性の育休が浸透しているとは言い難いでしょう。本記事では、2001年に第一子を出産したライフキャリアコンサルタントの江野本由香氏が、日本の育児支援制度の実態について解説します。

復職後、自分の居場所はあるのか…

ほかには、「これからのキャリアへの影響」を心配する声もしばしば聞かれます。

 

母親の場合、産前産後休暇だけでも3か月以上、育児休業もあわせれば1年以上、職場を離れることになるわけですから、育休の取得は「キャリアの中断」ともとらえられ、いまも多くの働く母親の悩みの種にもなっています。

 

男性の場合はまだそれほど長い期間の育休を取ることは少ないものの、自分の仕事を誰かにいったん引き継いでいくことに戸惑う人も多いでしょう。

 

「誰かに自分の仕事を取られてしまうのではないか」

「復職後に自分の居場所がなくなってしまうのではないか」

「今後の昇進に響くのではないか」

 

……などと不安を感じるのは当然でしょう。

 

むしろ、育休がキャリアアップへの鍵になる!?

しかし、一時的に職場を離れることで見えてくるものや考えることもありますし、何よりも子育てという経験は、その後の仕事やあなたの人生に役立つことがたくさんあります。その貴重なチャンスを生かせるかどうかは、あなた次第です。

 

赤ちゃんは1歳くらいまで言葉をほとんど話しません。生活すべてに誰かのサポートが必要な存在です。

 

泣き止まない赤ちゃんを抱っこしながら、「この子はなぜ泣いているのかな?」と、あらゆる可能性を考えます。五感をフルに使って想像し、赤ちゃんから求められていることに心から応えようとします。

 

しばしば「トイレにも行けない」「ごはんを立って食べているような感じ」と言われるように、自分のペースで動くことがむずかしい生活となるでしょう。

 

子どもは日々成長していきます。その時々で親の役割やサポートの仕方は違うので、柔軟に変化していく力も必要なわけです。これらのことは仕事上でも大切なことではないでしょうか。

 

育休期間での経験から得られたスキルを仕事の場面でも生かしていければ、キャリアへもプラスの影響を与えるはずです。

 

1992年の育児休業法から長い月日が流れ、育児休業を取得する女性、復職する女性は多くなりました。法律の施行後から職場の理解があったわけでも、復職が当たり前だったわけでもありません。

 

いまの男性育休も、このときと同じ状況にあります。男性の育休が一般的なこととなり、父親と母親が協力しながら、誰もが目指したいキャリアを描き、自分らしい生き方ができるようになる未来がやってくるかどうかは、いま子育てをしている世代の生き方にかかっているのではないでしょうか。

 

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※本記事は、「自分と家族の価値軸で築く幸せな生き方」(ごきげんビジネス出版 ブランディング ・江野本 由香著)の内容を一部改編・追加の上、掲載しております。

キャリアと子育てを両立する! 自分と家族の価値軸で築く幸せな生き方

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