資産を蓄えてリタイアしても、老後破産と隣り合わせなワケ
現役時代の収入は高く、リタイア時に十分な資産を残していたはずの大沼さんでしたが、一生のスパンでお金を見える化できておらず、現役のころの収入の水準でマンションを買い、日々の生活費を使っていたことに問題があります。
57歳で結婚し長男を授かった大沼さんは、子供が成人し独立する前に自分が退職することは考えられたことです。
しかし、若い妻と結婚することができ舞い上がってしまったのか、リタイア後の生活を考えずにマンションを購入し、毎月の生活費もあまり気にせずに使ってしまっていたことが問題でした。
また、資産が底を尽いたころにようやく非常勤で働くことを考えた大沼さんでしたが、65歳でリタイアした際にその決断ができていれば資産を失うことはなかったでしょう。
将来設計から家計をシミュレーションし、一生黒字でいることができるように働き方や資産の取り崩し方など、資金計画を考え、またこういったシミュレーションを踏まえて無理のない金額でマンションを購入するなど、実行していればこのような事態を避けることができたかもしれません。
夫婦で今後のライフスタイルやお金のこととしっかり向き合い、どう生きていきたいのか、戦略を考えることが必要だったといえます。
晩婚家庭の老後破産リスク
出産が遅かったケースは特に注意が必要ですが、現役時代の収入が高くても計画的にお金を使わないと今回の大沼さんのようなことになってしまいます。
厚生労働省の2019年に行われた人口動態統計によると、初婚の年齢の上昇に伴い再婚の年齢も上昇し、男性においては平均で43.7歳というデータがあります。
仮に44歳で再婚し、1年後の45歳で子供ができればちょうど定年退職のころに最も進学資金が掛かる時期に差し掛かるということになります。
ですので、今後の収入と支出の予測を立て、しっかりご自身が望む人生設計を実現できる人生設計を考えることが必要です。
高齢になり再婚した場合等は特にそういった計画を立てることが大事ですので、いまの収入が高く余裕があったとしてもお金の計画をしっかり立てていきましょう。
小川 洋平
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