米ドル急落、その「本質」とは!?
そもそも、ここ最近の米ドル/円は日米金利差米ドル優位縮小への反応が鈍く、金利差から見ると米ドル高・円安の「行き過ぎ」懸念もありました(図表3参照)。
金利差から見た米ドル高・円安の「行き過ぎ」、米ドル買い・円売りポジションの「行き過ぎ」、それらの修正が、先週前半の米ドル保合い下放れによって生じた“テクニカルな米ドル下落リスク”浮上により一気に広がったことが、先週の米ドル/円急落の本質だったと考えます。
先週は金曜日に注目の米2月雇用統計発表がありました。その中でNFP(非農業部門雇用者数)は予想より強い結果となりましたが、それを受けた米ドル買いの反応はすぐに一巡し、その後米ドル/円はこの間の安値を更新するまで下落しました。
これは、一方で失業率が予想より弱い結果となるなど雇用統計が強弱混在した結果となったことから、米金利上昇が限定的だったという影響もあったでしょう。
ただそれとともに、足元では、後手に回った米ドル買いポジションの損益確定売りの影響が大きくなっていることを感じさせます。
今週の注目点…米金利のさらなる低下はあるか?
先週の米ドル/円急落を受けて、米ドル買い・円売りポジションの調整も進んだ可能性があります。
ただ、CFTC統計の投機筋の円ポジションを参考にした場合、円売り越しの10万枚前後までは、米ドル買い・円売りの「行き過ぎ」圏というイメージです。そのため、「行き過ぎ」の修正に伴う米ドル売り・円買いが米ドル/円の上値を抑制するとともに、さらなる円高を後押しする状況はまだ続く可能性があります。
そこで、米ドル/円続落リスクについて、日米金利差との関係を参考に考えてみましょう。
2024年に入ってからの両者の関係と2023年末の関係では、金利差が示唆する米ドル/円の水準には違いがありますが、それでも145円前後まで米ドル/円が下落すると、金利差とのかい離はほぼ是正される見通しです(図表4参照)。
別な言い方をすると、金利差などから見た「行き過ぎた米ドル高・円安」の修正は145円前後までがせいぜいです。
ここから140円を目指すような一段の米ドル/円下落が起こるかどうかは、米金利の低下による日米金利差の米ドル優位縮小が鍵になってきます。
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