部下の「存在承認」を満たす効果的な方法
「日々の感謝」のことを、コーチング用語で「アクノリッジメント」と呼ぶ。存在承認と表現すれば、わかりやすいだろう。
とはいえ、「君のおかげで、助かっている。ありがとう」と、毎日のように言える人は少ないだろう。照れ臭いから、言えても1週間に1回だ、という人も多い。
しかし、誰だって毎日のようにできることがある。それが、そこに部下が存在していることを認めることだ。
これが存在承認である。やり方は、とても簡単。シンプルだ。
名前を呼んで、挨拶するだけ。声をかけるだけでいい。
「田中さん、おはようございます」
「吉田さん、お疲れ様」
これでいい。短いフレーズだが、効果抜群だ。こんなに「タイパ」の高いコミュニケーションはないだろう。
「即レス」も存在承認の1つだ。部長や課長、他の先輩からのメールにはレスが早いのに、自分のメールへのレスが遅いと、「自分の存在が軽んじられている」と思い込むものだ。
どんなに傾聴を心がけていても、いつもメールのレスが遅いのであれば、マイナス効果のほうが高い。
自分の都合のいいタイミングで「何でも話を聞くぞ」「困ったことがあったら、いつでも相談してくれ」と呼びかけても、部下はその気にならない。日ごろから自分の存在をスルーしておいて、それはないだろう、と部下は思うからだ。
評価や待遇を改善するより、まずは日ごろの「アクノリッジメント」に力を入れよう。
横山 信弘
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長
経営コンサルタント
※本記事は『若者に辞められると困るので、強く言えません』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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