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負債がある場合でも、自社株買いでPBRは「上昇」

ケース3.現預金など「資産の売却」で自社株買いを行う場合(負債がある場合)

前節では、債務がなく、ROA=ROEの企業のケースを考えました。最後は、債務がある場合を考えます。

 

[図表4]がその数値例です。負債がゼロの場合に比べると、負債がある場合には、資産>自己資本であるため、資産の減少率は、自社株買いによる自己資本の減少率よりも小さくなります。

 

さらにいえば、ROAは一定のため、資産の減少率=利益の減少率ですから、利益の減少率は、自己資本の減少率よりも小さくなり(→ただし、「株数」はもっと大きく減るため)、「1株利益の上昇率」は「1株純資産の上昇率」よりも高く、「1株利益の上昇率」=「株価の上昇率」ですから、「PBR=株価/1株純資産」は上昇します。

 

[図表4]PBR1倍割れ、かつ負債があるときに、 自社株買いを、元のROAと同水準のROAを持つ資産売却で実施する場合、1株利益の上昇率=株価の上昇率>1株純資産の上昇率となるため、PBRは上昇。
[図表4]PBR1倍割れ、かつ負債があるときに、 自社株買いを、元のROAと同水準のROAを持つ資産売却で実施する場合、1株利益の上昇率=株価の上昇率>1株純資産の上昇率となるため、PBRは上昇。

 

PBR1倍割れの企業の自社株買いも「無意味」ではない!ただし…

数式で再検証したいと思っていますが、とりあえず、これらの数値例に従えば、「PBR1倍割れの企業が自社株買いをしても意味がない」とまではいえなそうです。

 

ただし、会社が保有する、ほとんどすべての資産や事業の収益率が、投資家の要求収益率を下回っている場合には、どの資産や企業の売却で自社株買いを行っても(PBRは上がるものの)1倍を超えることはなく、「自社株買いをしても意味がない」(→解散したほうがよい)といえるでしょう。

 

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重見 吉徳

フィデリティ・インスティテュート

首席研究員/マクロストラテジスト

 

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