(※写真はイメージです/PIXTA)

バリュー投資とは、実際の価値よりも割安な株を購入し、価値が戻ったときを狙って売却し利益を得る投資手法のこと。伝説の投資家ウォーレン・バフェットもバリュー投資を信条としています。本記事では、みずほ証券チーフ株式ストラテジストの菊地正俊氏が、著書『低PBR株の逆襲』(日本実業出版社)から、個人投資家が銘柄選択する際のヒントをご紹介します。

バフェットが日本株で保有しているのは「商社株」のみ

バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏(93歳)は、バリュー投資を信条にしています。

 

2023年4月11日にウォーレン・バフェット氏が来日し、大手商社5社の保有比率を引き上げたと語ったことで、大手商社株は揃って上昇し、4〜6月の外国人投資家の日本株投資の急増にも寄与しました。

 

バークシャー・ハサウェイは6月にも商社の保有比率を引き上げましたが、保有比率はバリュエーションが最も低い丸紅が8.3%だったのに対して、バリュエーションが最も高い伊藤忠商事が7.5%と差が出ました。大手商社のPBRは住友商事を除いて1倍を超えました。

 

バフェット氏は「日本が米国以外の最大の投資先だ。日本株で現状保有しているのは商社株だけだ。考えている会社は常に数社あるが問題が価格だ。もし商社株の価格が2倍だったら、我々は投資しなかっただろう」、

 

「他の日本企業への投資は10年後、20年後とうまく続いていくようなビジネスや人を求めている。明らかに私の理解を超えるものでない限り、日本のあらゆる大企業に目を向ける」と語りました。

 

バフェット氏は投資対象企業に

 

①事業のわかりやすさ
②株価の割安さ
③立派な経営者がいること
④継続的なキャッシュフロー創出と株主還元

 

などを求めます。商社は外国人投資家からビジネスモデルがわかりにくいと言われたこともありましたが、バークシャー・ハサウェイと同じコングロマリットなので、似ていると思ったようです。

 

バークシャー・ハサウェイが2020年8月に商社5社に初めて大量保有報告書を出したときには、インフレ期待の高まりがあったように、バフェット氏のマクロ経済感が銘柄選択に影響します。

 

バークシャー・ハサウェイは米国で時価総額1兆円未満の企業にも投資していますが、外国株に投資するなら、時価総額1兆円以上は必要でしょう。

 

みずほ証券エクイティ調査部は当時、バフェット氏が投資する可能性がある商社以外の株として、大手銀行株、任天堂、日立製作所、東京エレクトロン、NTTなどを挙げましたが、現状はまだ商社株以外には投資していないようです。
 

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