(※写真はイメージです/PIXTA)

「年老いてから貧困に陥らないためには、現役時代にいくら用意すればいいですか?」…非常によくある質問ですが、納得いく答えというのはあるのでしょうか。本記事では、『働く君に伝えたい「お金」の教養 』(ポプラ社)から、著者の出口治明氏が「老後のお金」に対する不安をクリアにする考え方を提案します。

「ストック」だけで生きようとするから苦しい

――現役時代は普通レベルの生活をしていた人が、年老いてから貧困層に転落してしまう事例がとても多いと聞きます。なにせ、退職してから20年も30年も生きるわけですから。60歳までにいくらくらい貯蓄しておけば安心なのでしょう?

 

リタイア(=退職)するという発想をなくせば、何も怖くない。僕はそう考えています。それは決して、僕が還暦で起業した変わり者だからではありません。

 

これを読んでいるみなさんは、いま、なんらかの定期収入があるでしょう。まだ学生で収入がないという人でも、「私は一生働かない」と決めている人はおそらくほとんどいないのではないかと思います。

 

「働いて給与をもらう」ということは、月に1回、蛇口からドバっと水が出てくるようなものです。その下に預金という水槽があって、そこには穴が空いているイメージです。この穴の大きさをコントロールしつつ、月に1回出てくる水を貯めたり出したりしながら、みなさんは生活しています。経済学では、この水槽に貯まっているお金のことを「ストック」、蛇口や穴から出入りするお金のことを「フロー」と呼びます。

 

「退職」は、蛇口の水を止め、水槽から少しずつ水を出して生活するという発想です。だからこそ、「水槽には2000万円ないとダメらしい」「3000万円あっても破産してしまう人がいるらしい」と、60歳までにいかに水を貯めるかに躍起になるわけです。

 

けれど、蛇口を止めずに水を出し続けることができれば、その恐怖心もだいぶ薄らぐと思いませんか? つまり、水槽に貯めたストックではなく、蛇口から出てくるフローで生活するのです。

 

では、なぜフローのほうが安心か? みなさんは……いや、人間は誰しも、何歳まで生きるかわからないからです。

 

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