穏やかな税務調査官の雑談「ご趣味はなんですか?」…緊張がほぐれてベラベラ喋った50代サラリーマン→調査の帰り際、告げられた〈追徴課税額〉に愕然【税理士が解説】

穏やかな税務調査官の雑談「ご趣味はなんですか?」…緊張がほぐれてベラベラ喋った50代サラリーマン→調査の帰り際、告げられた〈追徴課税額〉に愕然【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「税務調査」と聞くと、緊迫した雰囲気のなかで取り調べが行われる“怖いイメージ”を持つ人が多いでしょう。しかし、実際は和やかな雰囲気で行われることが多く、世間話で盛り上がることも少なくありません。しかし、一安心して調査官とたくさん話をしてしまうと、後々憂き目に遇うケースも……。本記事ではAさんの事例とともに、税務調査での雑談における注意点について、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。

「うっかり」話したことで、追徴課税に

さて、話は戻りますが、Aさんは和やかに世間話をしながら調査官と過ごしていました。こんな穏やかな調査官で運がよかったなと思っていたくらいでした。そして調査も終盤を迎えるころ、調査官は告げます。

 

調査官「申告書を見ると、自動車の計上がないですね。メルセデスのAMGですと、その年式の買取相場ですと1,400万円になりますね。それからリゾート会員権もないですね。確か、〇〇のリゾート会員権ですよね。通帳からリゾート会員権の年会費の引き落としがありますね。こちらは取引相場があるものなので、その評価額と預託金を合わせた金額になります。こちらも600万円になりますね」

 

和やかに話していたその内容から、調査官は、申告漏れを見つけていました。この申告漏れにより、Aさんは本税300万円、加算税30万円を支払うことになってしまったのです。

 

Aさんは思ってもいないところで指摘され、愕然としました。自動車については、確かに父から譲り受けたものではあるのですが、父が身体を壊してからは、Aさんが乗っていたので、自分のもののように思っており、うっかりしていました。

 

それからリゾート会員権についても父親から詳しくは聞いていなかったので盲点でした。

 

このように、調査官は世間話をしにきているのではなく、しっかり、ポイントを探して常に目を光らせているのです。

 

 

木戸 真智子

税理士事務所エールパートナー

税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー

 

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