穏やかな税務調査官の雑談「ご趣味はなんですか?」…緊張がほぐれてベラベラ喋った50代サラリーマン→調査の帰り際、告げられた〈追徴課税額〉に愕然【税理士が解説】

穏やかな税務調査官の雑談「ご趣味はなんですか?」…緊張がほぐれてベラベラ喋った50代サラリーマン→調査の帰り際、告げられた〈追徴課税額〉に愕然【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「税務調査」と聞くと、緊迫した雰囲気のなかで取り調べが行われる“怖いイメージ”を持つ人が多いでしょう。しかし、実際は和やかな雰囲気で行われることが多く、世間話で盛り上がることも少なくありません。しかし、一安心して調査官とたくさん話をしてしまうと、後々憂き目に遇うケースも……。本記事ではAさんの事例とともに、税務調査での雑談における注意点について、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。

世間話は、納税者の生活状況を確認している

「税務調査」と聞くと、とても緊迫したなかで行われているというイメージを持たれている方は少なくないのではないでしょうか。実際、税務調査はイメージとは違って案外、このように和やかに行われることが多いのです。

 

流れの一例は下記のようになります。

 

税務調査当日、午前10時ごろに調査官が来訪します。午前中はインタビューが行われます。会社であれば事業の内容、経緯等、世間話を交えていろいろな会話をします。

 

調査官も調査する目的をもってきているので、確認したい内容をそのときに質問してくることもあれば、世間話をしているなかで調査すべきポイントを探している場合もあります。ついつい話が盛り上がって、いろいろな話に派生していくこともあります。

 

そして、時には、「どうしてこんなことを聞くのか?」と言いたくなるような質問をされることもあります。

 

相続の場合には、被相続人の生い立ち、健康状態、交友関係、趣味などプライベートについても質問をされることも珍しくありません。

 

この時間はその後の調査に大きく影響しますので、事前に準備すべき資料が揃っているかどうか、そしてインタビューも明確な回答ができているかどうかで印象が大きく変わります。

 

忘れてはいけないのは、これは税務調査なので、調査官は決して世間話をしにきているのではないということです。この世間話は、実際のところ、「納税者の生活状況を確認するため」という明確な理由があるのです。

 

その後は実際に準備した書類をチェックする時間になるのですが、調査官のなかには、オフィスのなかを見学したり、業務の流れをインタビュー形式でチェックするというケースもあります。相続の場合には自宅であることが想定されるので、自宅の状況を確認されることもあるでしょう。

 

調査官は基本的には17時には税務署に戻って報告しないといけないので、16時までには整理して立ち会っている税理士にまとめのお話をします。ここで調査官が調査した結果、論点となるべきポイントのお話になります。

 

このように、税務調査にはしっかりと意味があって、その流れとなっていることを忘れないようにして、うっかり乗せられていろいろと無駄話をしないようにしましょう。

 

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