銀行からの資金調達、決算書だけでは不十分!?…融資の成功率を高める「+α」の提出物【元メガバンク支店長が伝授】

銀行からの資金調達、決算書だけでは不十分!?…融資の成功率を高める「+α」の提出物【元メガバンク支店長が伝授】
(※写真はイメージです/PIXTA)

会社経営を軌道に乗せるために必要不可欠な融資。この融資を確実に手に入れるためには、「決算書」のほかにもう1つ準備しておきたい書類があると、中小企業診断士で1級FP技能士の川居宗則氏はいいます。それはいったいなんなのか、詳しくみていきましょう。

「会社」と「個人」の区別はついている?…「雑勘定」も重要

3.売掛金の状況

売掛金が平均月商に対して何カ月分あるか、3期分の売掛金明細を確認して同じ取引先の売掛金が残ったままになっていないかもチェックします。売掛金が長期間にわたって回収されていないということは、不良債権になっている可能性があるためです。

 

また売上の回収条件から算出される推定残高と比較して、高過ぎないかをチェックします。

 

4.棚卸資産の状況

棚卸資産(在庫)が急増していないか、回転期間「棚卸資産÷(売上原価÷12)」が長期化していないかなどをチェックします。特に不良在庫の有無や発生可能性などについて入念に調べます。

 

例えばアパレルは基本的に4カ月を超えないのがラインです。ファッションは季節を跨ぐと主要商品が替わってしまうため、現金化できる可能性が低い「不良在庫」になってしまうという理由からです。

 

5.減価償却費の計上

償却資産に対して適正に減価償却費が計上されているか、税務申告書の「別表16」でチェックします。償却不足の場合は、利益を水増ししているといった見方になります。

 

6.雑勘定

貸付金や仮払金の発生をチェックします。

 

中小企業・小規模事業者では役員報酬を払えなくて貸付金にするケースや、費用にできずに仮払金が残っているケースがよくあります。過剰な貸付金・仮払金は資産として認められません。

 

社長個人が使うお金を仮払金として処理している場合など、会社と個人のお金の区別が付いていない証拠であり問題です。

 

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※本連載は、川居宗則氏の著書『元メガバンク支店長だから知っている 銀行融資の引き出し方』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

川居 宗則

幻冬舎メディアコンサルティング

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