6.為替
<現状>
●円の対米ドルレートは、FRBによる利下げ観測が強まり、米長期金利が大幅に低下したことを受けて、大きく上昇しました。日米金利差の縮小から円買い・ドル売りが優勢となり、前月末の147円台から月末は141円近辺に上昇しました。
●円の対ユーロレートは、前月末の161円台から月末は155円台に上昇しました。ユーロは、金利先安観の強まった米ドルに対して上昇しました。
●円の対豪ドルレートは、日豪金利差の縮小などから上昇しました。豪ドルは、金利先安観の強まった対米ドルに対して上昇しました。
<見通し>
●円の対米ドルレートは、米金利の低下に伴い緩やかに上昇すると想定します。当面はもみ合い推移が続くものの、先行きはFRBの利下げ開始と日銀の政策修正が意識され、日米金利差縮小が円の上昇要因となるとみています。
●円の対ユーロレートも、当面レンジ内でもみ合うものの、先行きはECBによる利下げと日銀の政策修正が意識され、緩やかに上昇するとみています。
●円の対豪ドルレートも、当面もみ合うものの、中国経済の減速や日銀の政策修正により緩やかに上昇する展開を予想しています。
7.リート
<現状>
●グローバルリート市場(米ドルベース)は、米長期金利が前月に引き続き大きく低下したことを受けて、大幅高となりました。S&Pグローバルリート指数のリターンは前月末比+9.0%でした。また、円ベースのリターンは、為替効果がマイナスに寄与し、同+3.9%となりました。
●米国は、長期金利が大幅に低下したことを受けて、大きく続伸しました。欧州も、米国リートの上昇や長期金利の低下を好感して堅調な展開となりました。アジア・オセアニアも、長期金利が低下したことを受けて、上昇しました。一方、日本は、日銀の政策変更が意識され、下落しました。
<見通し>
●グローバルリート市場は、先行きの米欧の中央銀行の利下げに伴い長期金利の低下が見込まれることや、世界景気が底堅く推移する見込みであることから、不動産市況がやや停滞するなかでも、回復基調を辿ると予想します。
●米国は、FRBによる利下げ開始に伴い長期金利が低下することや米国景気がソフトランディングするとみられることから、レンジを切り上げるとみています。アジア・オセアニアは、景気の回復基調を背景に緩やかに上昇するとみています。日本は、日銀の金融政策変更後は回復するとみています。