1.概観
【株式】
12月の主要国の株式市場は、世界的に長期金利が一段と低下したことを受けて、投資家のリスク選好姿勢が強まったことから、概ね堅調な展開となりました。米国株式市場は、インフレの鈍化を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)が2024年前半にも利下げに転じるとの観測が強まり、長期金利が大幅に低下したことを受けて、大きく上昇しました。欧州の株式市場も、欧州中央銀行(ECB)が2024年に利下げに転じるとの見方が強まり、長期金利が低下したことが投資家心理を支え、堅調な展開となりました。一方、日本の株式市場は、月末にかけて日米金利差縮小から円高が進行したことが嫌気され、小幅安となりました。中国株式市場は、デフレによる景気減速懸念などから、上海総合指数は下落、香港ハンセン指数は横ばいとなりました。
【債券】
米国の10年国債利回り(長期金利)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて、FRBが2024年に複数回の利下げに動くとの観測が強まったことから、大幅に低下しました。ドイツの長期金利は、ECBが2会合連続で政策金利を据え置いたことや欧州景気の減速を受けて、先行きの利下げ観測から低下しました。日本の長期金利は、米長期金利が大幅に低下したことや、日銀が早期に金融緩和政策の修正に動くとの見方が後退したことから低下しました。
【為替】
円の対米ドルレートは、FRBによる利下げ観測が強まり、米長期金利が大幅に低下したことによる金利差縮小から大きく上昇し、141円近辺で終了しました。
【商品】
原油価格は、中国や欧州に加え、米国の景気減速による世界経済の減速懸念を背景に、原油需要が鈍るとの見方が高まったことから下落しました。