“ここは気をつけて!”…軍用地投資のデメリット3点
黒「良い話ばかりだと逆に心配になりますが、軍用地のリスクや注意点はどんなものがありますか」
――デメリットの少ない軍用地投資ですが、強いて挙げるとすると、
- 月ごとの収入が得られない
- 値下がりするリスク
- 返還リスク
という3点になります。
注意点①月ごとの収入が得られない
まず、支払いは年1回なので、家賃収入のように月ごとの収入を得ることはできません。
次に、値下がりするリスクです。
ここ30年値上がり続けてはいますが、不動産なので当然値下がりするリスクもあります。
そして、これが最大のリスクですが、所有する軍用地が返還されるリスクがあります。
黒「そうなると日本政府の借り上げが終了して、ただの土地になってしまう訳ですね」
――実は沖縄軍用地には、返還予定がないものと、返還が決まっているものがあり、個々の施設の状況を見極めておくことが重要です。
大雑把に言うと、「嘉手納飛行場」より北は返還予定がない軍用地が多く、嘉手納より南は返還予定があるものが多くなります。
黒「長期的に保有するのであれば、返還予定がない場所で考えるほうがいいですね」
――はい。たとえば、その「嘉手納飛行場」は極東最大のアメリカ空軍基地なので返還リスクは極めて低く、長期的な賃料収入が見込めるうえに売却益も期待できるということで、人気があります。
一方で、返還予定がある軍用地も、場合によっては値上がりによる売却益を期待でき、投資対象になります。
返還予定とはいえ、実際に返還されるまでは借地料が入ってきますし、返還後の区画整理の間も、借地料相当の保証があります。
再開発によって評価が数倍になる可能性を秘めている土地もあり、あえてそういう場所を狙う人もいます。
黒「過去に、返還後に値上がりした事例はあるんですか?」
――北谷(ちゃたん)の「アメリカンビレッジ」です。あとは免税店などがある「那覇新都心」も、返還後の開発で大きく発展しました。
また現在「イオンモール 沖縄ライカム」がある場所も、以前は泡瀬(あわせ)ゴルフ場という米軍施設でしたが、返還後に坪単価が6倍になっています。
黒「返還予定がある場所を狙っていくのも、夢がありますね。では、注意点についてはいかがでしょうか」
注意点②現金orローン
――まずは現金とローンどちらで買うかですが、特に最初の購入は現金がおすすめです。
黒「これはどうしてでしょうか」
――軍用地ローンの金利は2~3%、一方軍用地の利回りは2%弱です。
フルローンの場合、ローンの金利が借地料を上回ってしまうので、融資を受けるならある程度は頭金を用意し、きちんとシミュレーションしたうえで融資を利用するようにしましょう。
また、一度軍用地を購入して地主会に加入すると、「土地連共済」という地主限定の低金利ローンを利用できるので、これを活用して買い増していくという方法もあります。
注意点③スピード勝負
最後に伝えたい注意点が、スピードの重要性です。前述のとおり、物件が不足気味で、条件の良い物件が出るとすぐ売れてしまう状況になっています。
黒「どうやって情報収集したらいいですか」
――不動産会社のHPやメルマガでの情報収集が基本になりますが、もし気になる物件があったら、メールよりも電話で連絡することをおすすめします。
黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
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