軍用地なのに…日本政府から“賃料”が支払われる理由
黒「ちょっと角度を変えた質問ですが、そもそも、どうして軍用地に借地料が支払われているのでしょうか」
――その質問にお答えするには、少し歴史を振り返る必要があります。
現在、日本には130箇所の米軍基地がありますが、その約70%が沖縄県に集中しています。それらの軍用地は、沖縄県の総面積の約8%、沖縄本島の約14%を占めています。
またそのなかには、かなりの割合で民有地が含まれています。この背景には、米軍が元々の地主から土地を強制接収したという、歴史的経緯があるのです。
アメリカ統治時代には、土地を格安で買い取るというアメリカ側からの提案もありました。しかし、土地連初代会長・桑江朝幸(くわえ・ちょうこう)らの粘り強い交渉によって「賃貸借」という形がとられるようになり、これによって、日本国が土地所有者に借地料を支払う現在の形になりました。
黒「軍用地に借地料が払われているのには、そういう歴史があるんですね」
――現在では、年間約1,000億円の借地料が国から所有者へ支払われおり、その経済効果は1,600億円以上とも言われています。
軍用地投資の5つのメリット
黒「なんとなく分かってきましたが、軍用地投資のメリットについて、もう少し詳しく教えてもらえますか」
――メリットは主に次の5つです。
②ローコスト
③安定した利回り
④流動性の高さ
⑤相続税対策
それぞれ詳しく見ていくと、まずローリスクという点は『国が賃借人』なので、空室や家賃滞納といった資金回収リスクがありません。つまり、毎年賃料が安定して入ってくるということです。
黒「通常の不動産投資での一番のリスクを気にかけなくていいのか……借り手が日本政府というのは安心感がありますね」
――次にローコストですが、土地だけなので建物の修繕費など発生しませんし、一般的な土地と比べて低い固定資産税評価額になり、固定資産税も安くなります。
黒「普通の不動産投資だと、固定資産税はもちろん、定期的な管理費や、大規模修繕の費用、その他にも広告費とか、色々発生しますよね」
――管理会社への手数料もかかりませんし、面倒なことは全部国がやってくれて、持っているだけで賃料が入ってくるような形です。
さらにメリット3つ目、安定した利回りですが、『年間借地料』は毎年1%前後値上がりしています。借地料はここ30年以上、値下がりしたことがありません。
たとえば、嘉手納飛行場の軍用地の借地料は2011年は11万2,716円でしたが、2018年には12万7,241円になっています。景気の浮き沈みにも左右されにくく、コロナ禍でもさほど影響を受けていません。
黒「利回りはどれくらいですか?」
――投資利回りは、表面で平均2%前後です。費用はほとんどかからないので、実質2%弱ぐらいで回ります。毎年複利で増えていくので、長期保有することで利回りも上がっていきます。
黒「いま銀行に預けても、ほぼ金利ゼロですからね……」
――はい。じっくりと収益をあげたい人には最適です。
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