(※写真はイメージです/PIXTA)

企業にとって、コンプライアンス違反は罰則の対象となるだけでなく、「炎上」といった社会的な信用を失う重大な行為です。企業に求められるコンプライアンスが高まるなか、具体的にどのような行為が違反にあたるのでしょうか。Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が、違反例とともに詳しく解説します。

それ、違反です…企業の「コンプライアンス違反」具体例

コンプライアンスが遵守できていないとされる具体例には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

主な例には次のものが挙げられます。

 

製品や商品の偽装

製品や商品の表示を偽ったり、必要とされる検査をクリアしていなかったりするものです。

 

また、食品であれば賞味期限の偽装などもこれに含まれるでしょう。

 

近年では、自動車メーカーによる検査不正が記憶に新しいかもしれません。

 

このような行為は消費者の信頼を大きく損ねる可能性があり、一度偽装が発覚するとその後信頼を取り戻すことは容易ではありません。

 

不正受給

ある要件を満たすことで受け取れる補助金や助成金は数多く存在します。

 

実際には要件を満たしていないにも関わらず、嘘の申請をするなどしてこれらのお金を受け取ることを「不正受給」といいます。

 

不正受給は犯罪行為であり、道義的責任のみならず刑罰の対象となる可能性も否定できません。

 

実際に、新型コロナウイルス関連の給付金の不正受給では多くの逮捕者が出ています。

 

個人情報漏洩

個人情報の管理が甘かったり、従業員が個人情報を不正に持ち出したりして個人情報が漏洩する場合があります。

 

ある市から個人情報を取り扱う事務の委託を受けていた事業者が個人情報の入ったUSBメモリを紛失して大きな騒動になったことを記憶している人も少なくないでしょう。

 

個人情報の漏洩に関する社会の目は厳しく、信頼関係を大きく損なう可能性があります。

 

粉飾決算

実際よりも利益が出ているように見せかける「粉飾決算」などの不正会計も、コンプライアンス違反の代表例です。

 

粉飾決算が発覚すると、企業イメージが大きく低下してしまいかねません。

 

また、粉飾決算に一度手を染めるとその後も不正会計を続けなければ辻褄があわなくなることが多く、容易には抜け出せなくなります。

 

ハラスメントの横行

コンプライアンスの遵守体制が整っていないことで、パワハラやセクハラなどのハラスメントが横行する場合があります。

 

ハラスメントの横行は加害者のみの問題ではなく、企業の問題でもあります。

 

企業はハラスメントを防止する体制を整えるほか、仮にハラスメントが発生したら速やかに対処するなどの対応が求められるでしょう。

 

残業代不払い

従業員に時間外労働をさせた場合には、残業代を支払わなければなりません。

 

残業代の支払いは企業の義務であり、適切に残業代を支払わない場合には早期に是正しなければなりません。

 

著作権侵害

人が創作したものは、原則としてすべて著作権の対象です。

 

著作権が発生するかどうかに、著作者が著名であるかどうかなどは関係ありません。

 

著作権に関するコンプライアンスが徹底されておらず、一般個人がSNSに投稿したイラストを企業が無断で使用してしまった場合などには、大きなトラブルの原因となる可能性があります。

 

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※本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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