罰則に炎上…「コンプライアンス違反」がもたらすリスク
企業がコンプライアンスを遵守しない場合、どのようなデメリットが生じる可能性があるのでしょうか?
生じる可能性のある主なデメリットは次のとおりです。
法令違反で罰則や損害賠償などの対象となる可能性がある
コンプライアンスが遵守できておらず、法令違反をしてしまうと罰則の対象となる可能性があります。
また、これにより損害をこうむった人がいれば、損害賠償請求がなされる可能性もあるでしょう。
許認可が取り消される可能性がある
建設業や産業廃棄物処理業など許認可を取得している事業者がコンプライアンスを遵守できておらず、法令に違反をした場合には、その許認可を取り消す行政処分が下される可能性があります。
主要な許認可が取り消されてしまうと、事実上事業の継続が困難となり、廃業せざるを得ない事態にもなりかねないでしょう。
インターネット上などで「炎上」する可能性がある
特に近年、企業のコンプライアンス違反に対して厳しい目が向けられているといえます。
そのため、法令違反である場合のみならず社会規範から逸脱していると一般ユーザーなどからみなされた場合などには、SNSなどで情報が拡散され、「炎上」状態となってしまうリスクが否定できません。
コンプライアンス違反の内容や拡散された情報の内容などによっては、情報を見た人がいたずら半分で企業に電話をかけたり企業を訪問したりして、通常業務に支障が及ぶケースもあります。
企業イメージが低下する可能性がある
企業のコンプライアンス違反が大々的に報じられたりSNSで拡散されたりすると、企業のコンプライアンス違反が多くの人に知られることとなります。
そのような事態となれば、取引先や消費者に対する企業イメージの低下は避けられないでしょう。
顧客やユーザーが離れて業績に影響する可能性があるほか、上場企業であれば株価に影響する可能性もあります。
また、イメージ回復には長い期間が必要になる場合があります。
退職者が増加する可能性がある
コンプライアンス違反が常態化している企業では、風通しが悪く働きづらさを感じる人が少なくないでしょう。
そのため、従業員のモチベーションが低下したり退職者が増加したりする可能性があります。
コンプライアンス違反が起きてしまう主な理由
企業内でのコンプライアンス違反はなぜ起きてしまうのでしょうか?
考えられる主な理由は次のとおりです。
知識や理解が不足しているから
企業や担当者の知識や理解が不足していることから、コンプライアンス違反に陥っているケースです。
違反であるとの認識さえない場合もあり、ある日突然違反を指摘され、対応に右往左往してしまうかもしれません。
自社に関連する法令は法務部などが目を通して遵守状況を確認するか、弁護士に法令の遵守状況を確認してもらう仕組みを構築する必要があるでしょう。
違反が起きやすい環境が存在しているから
コンプライアンス違反は従業員個人の素養などで起きるものではなく、企業風土や人員配置などと密接に関連しています。
たとえば企業内に厳しいノルマがあり、何としてでもこれを達成すべきとの空気が蔓延していれば、コンプライアンスを後回しにした無理な営業活動を行うなど、コンプライアンス違反が起きやすいでしょう。
また、重要な業務について相互チェック体制がなく属人化しているなどの事情があれば、コンプライアンス違反が生じてしまいかねません。
社内でコンプライアンス違反が生じた際には、違反した従業員に責任を問うのみならず、社内の体制を見直す必要があるといえます。
違反を指摘しづらい環境があるから
コンプライアンス違反が常態化している場合には、違反を指摘しづらい空気が蔓延してしまっているかもしれません。
コンプライアンス違反を指摘したら、パワハラ行為の標的とされたり望まない配置転換をされたりするような状況であれば、コンプライアンス遵守を望む従業員は退職し、自浄作用が望めない状態となる可能性があるでしょう。
コンプライアンス違反を常態化させないためには、社内の風通しをよくする取り組みが重要です。
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