※画像はイメージです/PIXTA

サウジアラビアと聞いて、思い浮かべるのは、どのような姿だろう。砂漠、そして石油。イスラム圏で、日本人には文化的にも馴染みが薄いかもしれない。しかし、そんなサウジアラビアでは、莫大な額の投資マネーの流入が続いているという。その理由についてみていこう。

サウジアラビア…海外投資を引き寄せる力とは

企業およびインフラ分野がサウジアラビアの投資市場の原動力だ。その一例である世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、主にインフラプロジェクトに焦点を当てたサウジアラビア専門ファンドを構築している。対象分野にはエネルギー、電力、ユーティリティ、水、環境、交通、通信、および社会インフラが含まれる。戦略の一環として、ブラックロックは地域および国際の投資家を引き寄せ、サウジアラビアへの外国直接投資を促進する。

 

オフィス分野はサウジアラビア市場において最大の投資先であり、第1四半期の総投資額の50%を占めている。一方で、現在ではオフィス以外の分野も積極的に巻き返しを図っており、高い回復度を示している。Next Level Global Investmentのデータによれば、オフィスに加えて、物流不動産と賃貸住宅分野も、サウジアラビア市場に参入する外国投資家にとって非常に人気があるという。

サウジアラビア…住宅ニーズ増は必然といえるワケ

サウジアラビアの平均年齢は若く、今後も確実に人口は増えていくとされている。そのため王国内での住宅プロジェクトへの需要は将来も高いままだと予想されている。サウジアラビアのインフラおよび建設計画は、建設施工のやり方への大胆な変革や新しい技術の採用、運用基準の実施によって推進されている。たとえば、住宅省がプレハブ建築技術に3Dプリントを使用することを標準化し、建設時間を短縮、品質の向上を図り、伝統的な手法より効率的な労働体系が整っている。

 

サウジアラビア王国北西部地域に位置する、NEOM(ネオム)という経済特区、スマートシティがある。このスマートシティは、都市生活を大胆なやり方で再構築し、資源に富む地域における、持続可能性を重視かつ採用している。NEOMにはいくつかの副都市である、The Octagon、Trojena、The Lineが存在し、それらの地域は高級住宅エリアとして再構築されている。サウジアラビアの住宅所有者の約40%が80万ドル以上のセカンドハウスの購入に意欲的だという(関連記事:『中東・サウジアラビアで進行中!総工費5,000億ドルの未来都市「NEOM」の全貌』)。

 

サウジアラビアの地元市場に外国企業が殺到していることや、他のいくつかの要因が組み合わさって、オフィススペースの賃料を20%引き上げているという。サウジアラビアは2023年第1四半期に1,600以上の外国投資権を承認した。データによれば、最高級オフィススペースの占有率は97%まで増加している。サウジアラビアは外国の中間管理職にとって高い給与を得られる国ランキング1位となっており、スイスが2位。サウジアラビアの個人所得税率は0%ということが、中東に移住を考えている外国人にとって大きな動機だ。アル・マルジャン島という人工島におけるマンションでは、ビーチフロント、カジノが隣接されている2LDKで、予想ROIは9%にも達するという

 

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