※画像はイメージです/PIXTA

サウジアラビアと聞いて、思い浮かべるのは、どのような姿だろう。砂漠、そして石油。イスラム圏で、日本人には文化的にも馴染みが薄いかもしれない。しかし、そんなサウジアラビアでは、莫大な額の投資マネーの流入が続いているという。その理由についてみていこう。

都市を一変させるサウジアラビア成長戦略「Vision2030」

近年、多くの投資家たちがVision2030およびサウジアラビアの強固な経済基盤に引き寄せられ、投資機会を探求しているという。サウジアラビアで展開されている大胆な新戦略の成果は明らかで、世界最速の成長経済で起こっている驚異的な変革は、都市の風景全体にわたってはっきりと見て取れる。

 

2030年までにサウジアラビアで予定されている建設計画の内情を見てみると、住宅物件は55万5,000戸以上、発行されるホテルキーの数は27万5,000枚以上、小売店エリア面積は4,300万平方メートル以上、新しいオフィススペースの面積は6,100万平方メートル以上にもわたる。

 

中東不動産代理店企業であるNext Level Global Investmentのデータによれば、2023年のサウジアラビアの商業不動産投資額は、前年比25.7%増の207.1億米ドル(約30兆9,736億6,890万円)だった。これを牽引するのは、サウジアラビアへの強い投資意欲を示す外国投資家たちだ。サウジアラビアの資本市場への外国投資は、2022年に約925.3億ドルに達し、2018年の229億ドルから4倍と著しい上昇を見せた。

 

実際のところ、同じ四半期にサウジアラビア市場に蓄積された投資額は驚異的だった。Next Level Global Investmentのデータによれば、アメリカとヨーロッパへの投資額は合計660億ドルで、前年比でそれぞれ61%減と58%減少し、世界の主要市場の投資先の変化状況を反映している。欧米への投資状況と対照的なサウジアラビアは、今のところ唯一の勝者のようだ。

世界的な中心地としてのリヤドの再覚醒

サウジアラビアの首都、リヤドは、2023年の約750万人から2030年までに人口約1,700万人の大都市に急成長する見込みだ。この成長目標を達成するために、過去6年間でリヤド市が明かした不動産プロジェクトの額は1,040億米ドルに達している。さらに、サウジアラビアは1,470億米ドル相当の新しい国際空港を建設中で、そこには年間1億8500万人の旅行客が訪れる予定だ。

 

Next Level Global Investmentのデータから分かることは、リヤドが王国の商業の中心地として再認識されつつあることだ。そして、世界中の企業が中東の新たなハブになるとしている。また、この都市では国内でも多くの転入希望者が発生しており、住宅購入への支援が利用可能なため、住宅価格は急速に上昇しており、現時点で昨年の同時期よりも約26%高い水準にある。サウジアラビアの人口統計2022によれば、サウジアラビア全人口3,220万人のうち1,880万人がサウジアラビア国民、1,340万人、41.6%が外国人だ。

 

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